昔から、日本人はコツコツと貯金をすることに美徳を感じ、身の丈に合った暮らしをするのが良い・・・という教育観で育てられてきたように思えます。
お金を貯めて「何か事業を興す/始める」のは是としながらも、そのお金で「株を買う」といったいわゆる投資に宛がう使い方をするのは非という観念を持つ人は多かったように思えます。
だから、いまだにお金を貯めるのは良いけども、それを投資で増やすことには抵抗がある・・・という人が多いのかもしれません。
でも、若い人を中心にそうした観念は徐々に薄れつつあり、「投資も是である」という認識は確実に広がってきていると思います。
過去30年近くも日本はデフレが進行し、現金で持っていることが最も安全という時期はたいへん長く続きました。
その30年近く持ち続けてきた価値観・観念をいきなり真逆の方向に改めることは難しいことだと思います。
でも、いつの世も「時代の変化に自分を適合させる/世の中の変化に合わせて自分も変化する」・・・という姿勢こそが生き残るための秘訣です。
預貯金神話に頼り過ぎると、近視眼的視野になって、大事なものを見失う恐れがあります。
デフレ時代の「羹(あつもの)に懲りてなますを吹く」状態に陥らないことが大事です。
スタグフレーション状態で、景気は良くないのにインフレだけが進行するという状況になれば、現金は大幅に資産価値を下げることになりかねません。
老後のためにせっせと貯金していたのに、経済情勢の変化というリスクによって事実上それを失ってしまい、最悪は老後破産という事態も絵空事ではありません。
投資を「リスクを伴ってお金を増やす手段」として忌み嫌うのではなく、「お金を減らさないための備え」と捉え直してみる発想も大事だと思います。