サラリーマンがきちんと認識・理解しているかどうかは別として、建前上は使用人と会社は何らかの「労働契約」を交わしています。
本来労働条件通知書で文字で認(したた)められるものですが、まあ多くの中小企業はそこまでやっていないかもしれません。
給料は労働契約で決められるもので個々人によってさまざまです。
仮に自分の給料が時給910円なのに別の誰かは時給1000円だとしてもそれは仕方のないことです。
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こんな話があります。
ある経営者が失業者Aさんを雇うことにして朝9時から夕方6時まで8時間働けば(休憩1時間あり)日給1万円を支給すると約束しました。
Aさんは納得してそのとおりに働きます。
すると、ある日の午後から失業者Bさんが雇われて一緒に働くことになりました。
経営者はBさんにこう言っていました。
「午後1時から午後5時まで休憩なしで4時間働けば日給1万円を支給する」と。
それを知ったAさんは「不公平だ、自分の半分の時間しか働いていないのに自分と同じ給料はおかしい」と経営者に文句を言います。
さて、この言い分はどうなのか?
これとまったく同じではなくても、本質的に似たようなケースは実際多くの会社で起きていると思います。
経営者は、長く働いた人にも短い時間しか働いていない人にも同額の給料を支給しているかもしれません。
場合によっては短時間労働者のほうが多くの給料をもらっていることだってあるかもしれません。
これが労働契約の原則ですね。
つまり、自分は自分、他人は他人!・・・ということです。
自分の労働契約が守られている以上は、経営者側と他人の労働契約の是非について異議を唱える資格はありません。
訴えの利益ナシ・・・ということです。
単純に数字と時間の掛け算で○か×かを判断するのは機械には通用しても人間には適した発想ではない、ということです。
雇われの立場では、雇用者と他人との労働契約に文句を言うことは本来的にはナンセンスな話で、言うとしても相談・・・くらいでしょうね。