不動産投資の利回りには「表面利回り」と「実質利回り」と呼ばれるモノがあります。
私は表面利回りは一切気にしません。
気にするのは「実質利回り」のほうで、実際、表面利回りはまったく役に立たない数字だと思っています。
表縁利回りとは文字通り表面的な利回りのことで、実質利回りとは収入からいろいろな経費を控除して実際に手元に残る金額で利回り計算を行なった数字です。
表面利回りの計算式は次のとおりです。
<計算式>
想定年間満室家賃÷物件の購入価格×100(%)
例えば、300万円の物件を購入て月3万円の家賃が入ってくるなら年間家賃は36万円です。
すると、表面利回りは36÷300×100=12% ということになります。
利回り12%と聞くと、今のご時世ではものすごい高利回りに聞こえますし、かなりお得に思えるハズです。
ところが、実質利回りで計算すると・・・
→ 仮に毎月必要となる管理費・修繕積立金・管理会社への手数料・固定資産税などを合わせると18,000円がかかるとします(あくまでも仮定です)。
すると、3万円の家賃収入は実質12,000円となり、1,2万円×12か月÷300万円×100% = 4.8%となります。
12%の利回りと思えたのが実際には4.8%となるわけです。
かなりの落差があると思いませんか?
表面利回りは、実際にかかる経費を無視し、空室が発生せず、家賃が満額永遠に入金されるという前提の利回りで、一種の絵空事と言えます。
実現することのない数字ともいえます。
巷の不動産会社が作成する販売図面(チラシ)の表示はほとんどがこの「表面利回り」を使用しているため、実際に得られる収益とかなり乖離した高い表示となっています。
実力よりも高い物件として見せ少しでも売却しやすいように工夫しているのでしょうが、言い換えると無知な素人を騙すような手法とも言えます。
もう一度書きますが、表面利回りの利回りは決して実現することはない数字です。
だから、不動産投資を行なう際に表面利回りだけで購入の判断をしてしまうのは早計です。
初心者が陥りやすいワナの一つなので、これから不動産投資をしようとしている人は注意をしておかれると良いと思います。