よく言われることですが、私たち人間も広い意味では自然界の一部です。
人間あっての自然ではなく、自然あっての人間です。
そういう観点では、自然界の動きがいつも正しくて、人間はその中で自然という環境に合わせて生きていく生物です。
自然界の秩序は「芽が出て花が咲き始めたものもいずれ枯れていく」です。
暑ければ水が蒸発するし、寒ければ雪が降ります。
これらに対して、たとえば「暦(こよみ)」というのは人間が考え出した決め事ですし、春夏秋冬という概念も人間が勝手に編み出したモノに過ぎません。
1日24時間というのも人間が決めた一つの決め事です。
さまざまな儀式や行事は暦に則って行われますが、日付とそこにあるべき自然界の環境に食い違いが生じると、不思議なことに「自然が間違っている」という言い方を人はしがちです。
でも、これは誤りで自然界はいつも正しく、間違っているのは人間が決めた暦やルールのほうでしょうね。
季節外れの○○とか、数十年に一度の△△と言ったりしますが、本来はもともとそんな自然界の秩序があるだけで、人間の英知がまだそれを解明するレベルまで至っていないだけ・・・なのかもしれません。
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ビジネスの場でも、権力者の発言が事実に反していても、それを間違いとするのではなく権力者が正しいという前提で他の事柄を責め立てたりする場合があります。
特に独裁経営者、カリスマ経営者のもとでは世の中の常識が通用しにくい傾向があります。
その結果、狭い世界のその人だけのルールを絶対視しすぎて歪んだ常識観で判断されたりしがちです。
本来は正しいハズのほうを「誤」としてしまい、権力者秩序を優先してしまうパターンです。
「はい、社長のおっしゃるとおりです・・・」と周りがヨイショします。
かつてガリレオは「それでも地球は動く(回っている)」と言いました。
人は自分一人で生きているのではないですし、まして「経営」となれば社会的責任が伴います。
大事なのは自分だけの世界観で世間を視たり判断したりすることなく、原理原則をいつも重視することのほうにあると思います。