もう30年近くも前の話ですが、ちょうどバブルで世の中が賑わっていた頃、「M資金」という謎めいた言葉が出回ったことがあります。
私が証券会社にいた頃ですが、このM資金という話が出てくると、周りの仲間もとたんに「胡散臭い」と思ったものです。
要はインチキ話です。
出資金詐欺の一種で、いわゆる「ポンジ・スキーム」の一つです。
ポンジ・スキームとは出資してもらった資金運用で得た利益を出資者に配当金などとして高利回りで還元する・・・と謳うものの実はウソ! というものです。
多くの場合、実際には資金運用を行わず、後から参加の別の出資者から集めたお金を以前からの出資者に渡すことで、あたかも資金運用が行われて利益が生まれいるかのように見せかけるやり口です。
詐欺師チャールズ・ポンジが最初に始めたことから、「ポンジ・スキーム」と名づけられました。
時代時代で、名称こそ変われどこれに似たような投資話がよく出てきます。
表面化するときはそれが事件としてすでに行き詰まったときですが、そもそもこうした話には近寄らないのがベターです。
最近では、クレジットカードの読み取り機器を購入・リースするというビジネスモデルを扱っていた会社がついには倒産して多くの出資した人が資金を失ったとニュースでやっていました。
これも最初は実際に配当金を出して出資者を安心させ、さらに資金を引き出させる・・・という従来と同じ手法だったようです。
いつの時代も世間の常識から大きくかい離した儲け話などは疑ってかかる姿勢が必要ですね。
もしも、自分の元に舞い込んできたら、ゆっくり考えて誰かに相談するなど、ヘタに引っ掛からないようにすることが大事だと思います。