
統計学には「シンプソンのパラドックス」という概念があります。
これは、「母集団全体で出した結論」と、「サブグループごとで出した結論」とが、逆になる現象のことです。
たとえば、「全体だけ見たらAが悪い」ということでも、「グループごとに分けてみたら実はAの方が良い」・・・といった逆転現象が起きることを言います。
全体最適と部分最適とは異なる・・・とも言えます。
言えるのは、「単純な全体平均だけで因果関係を語ると本質を見誤りかねない」ということです。
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例えば、かつてコロナワクチンの是非がいろんなところで論議されました。
ワクチン接種者と未接種者で死亡率を比較したとき、ワクチン接種者の死亡率が「9%」で未接種者の死亡率が「4%」だったとします。
このデータを見れば「接種者のほうが危険」に見えます。
しかし、その裏側の分母の属性まで分解して見ると、まったく逆の現象が隠れているかもしれません。
どういうことか?
実は、この統計でのワクチン接種した人の多くはそもそも「高齢者や重病者」が多く含まれていて、逆に未接種者のほうには「若者や健康な人」が多く含まれていた・・・としたら?!。
単純に「ワクチン接種者」という括りだけで比較検討するところに盲点・ワナが隠されています。
極端に言えば、病床に臥せっていてもう余命わずかな人にワクチンを接種させて「(ワクチンを接種して)死亡率が高い」と得たデータと、10代でバリバリ元気なスポーツ選手が「(ワクチンを接種せず)死亡率が低い」と得たデータとでは比較することがおかしい!ということです。
これが冒頭に書いた統計学の「シンプソンのパラドックス」です。
こうした情報操作にも似たインチキは世間ではよくまかりとおっています。
入試の合格率、治療効果、警察の人種別逮捕率・・・などいろんなところにそのワナが潜んでいます。
数的リテラシーが低いと、数字のトリックにまんまと騙されます。
重要なのは「分母にある数字の内訳」を見ようとする論理的思考力です。
「論理的思考を我流で済ませていた」・・・という人は我流なるがゆえに思わぬ落とし穴に嵌る危険性があります。
「論理的思を勉強し続ける姿勢」を持ち、世間・会社で流れている話や噂を鵜呑みにせず、キチンとした思考力で制御していく気持ちを維持することは大切だと思います。
























