エジプトのピラミッドや、中国の万里の長城や、ヨーロッパの大宮殿や、日本の城など、大昔の人が大規模な土木建設工事をすべて人力でやっていたと思うと、とても気の遠くなるような作業・日数が必要でさぞかし大変だったろうと感心してしまいます。
文明の進歩はそうした「人力」をいかにして「非人力化」するかとともにあったと考えられますが、実際、私たちのまわりには「非人力化」の恩恵による文明の利器がたくさん溢れています(冷蔵庫・掃除機・洗濯機など)。
銀行がATMを導入する/鉄道の改札が機械化する、スーパーのレジがセルフ化するなど、社会ではどんどん人力を必要としない方向に進んでいます。
数年後には車の自動運転も当たり前の時代になっているかもしれませんし、レストランの接客もロボット化が一般的になっているかもしれません。
近年のデジタル技術の進展はますます目覚ましいものがあります。
少子化(生産労働人口の減少)による苦肉の策・・・という面もありますし、そうした非人力化が促進されるから少子化も進む・・・という面もありそうで、これは良い悪いを別として一種の相乗効果が働いていると言えます。
店員の人件費負担が重く閉店せざるを得ないというのであれば、経営の観点で無人化(非人力化)に舵を切るのは妥当でしょうし、やむを得ないことです。
文明の進歩が逆に自分の首を絞めている側面も否めませんが、当面、経営で生き残っていくためには無人化への道は避けて通れそうにありません。
こうした世の流れ・傾向を正しく捉え、自社の経営で何をしていかなければいけないか・・・を、経営者は的確に捉え直すことをしていく必要があると思います。