カレーハウスCoCo壱番屋の創業者、宗次徳二氏にこんな言葉があります。
「経営者は、本業のこと以外に気を取られてはいけないんです。
経営者は、お客様や取引先、そして社員のことを常に考えなければなりません。
やはり、商売の基本というのはコツコツと地道に足を付けて一生懸命にお客様のために頑張ることだと思います。
そうすれば、急激な成長はしなくても、5年・10年のスパンで見ればずっと右肩上がりで続いていけます」
・・・と。
そのとおりだと思います。
かつてバブル期の頃、本業以外のことに気を取られ、特に「財テク」と呼ばれる金融工学に基づく投機・投資話に会社の貴重なお金を次ぎ込んで、挙句にはそれらが泡と消えて会社の業績に大打撃・・・さらには倒産の憂き目に遭った・・・というケースはよく聞かれた話です。
せっかく本業は絶好調だったのに、ヘンに金融取引の損のせいで経営破綻になり社員が路頭に迷う・・・という羽目に陥ってしまった会社は、バブル崩壊後のリーマンショックの頃にも散見されました。
たとえば、バレタインデーチョコの仕掛け人でもあった「メリーチョコレートカンパニー」もその一つと言われます。
当初は、無借金経営/経常利益率9年連続10%以上/自己資本比率70%・・・というすばらしい財務体質だったのに、リーマンショックの後の為替デリバティブで数千億円の損失を出し、残念なことに銀行の支援をどこからも受けられず、結果的にはロッテに買収されることになった・・・。
ここで学ぶべき点は2つあります。
1.本業に徹して、「金融工学的投資には手を出さない/出してもある一定範囲内で・・・」というルールを守るべきこと
2.たとえ無借金経営であっても、イザというときのために普段からあえて銀行から借金をして経営をすることの大切さ
そうすれば、経営が傾くことなく安定した経営を続けることができると思います。
財テク話は慎重に検討することが大事です。
営業外取引である金融商品の評価損により、本業の営業利益が吹っ飛んでしまうという間抜けなことにならないよう、経営者は気を引き締め、悪魔の誘いを断る勇気も必要です。
本業で儲けることに専念し、金融工学的投資は経常利益の○分の1未満・・・という独自のルールを設定することが大事だと思います。