銀行とは面白いところで、一般的なビジネスの概念があまり通用せず、常に銀行上位の概念で物事が発想され、当然そこで働く人たちも自然とそういう頭の構造になって人と対処します。
だから、時と場合によってはとても失礼な態度、言動をとったりして嫌われるのですが、当の本人たちは意に介さないというか、気づかないというか、常に銀行の論理で動いていますから、外部の人が自分たちをどう思っているかなどほとんど気にしないようです。
それでも銀行は国に守られているのでよほどのことがないと潰れないし、倒産することなんて当事者たちは微塵も考えていない・・・といったまったく不可思議なところです。
そんな銀行マンたちは、一般庶民のところには足を運びませんが、ある一定のお金持ちのところへは電話や訪問やDMなどあの手この手で営業活動を行います。
なぜ銀行マンはお金持ちの人のところへ通うのか?
それは決して「預金してもらうため」ではありません。
「お金を借りてもらうため」ですね。
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銀行の経営は基本的には「お金を貸して利子をもらう」ことで成り立っています。
お金持ちは多少のお金を銀行に預けることはあっても、自分でさまざま運用を行っているので、銀行預金の利息を遙かに上回る利回りを得ていますからお金を銀行に積極的には預けません。
だから、銀行マンが足げに通っても預金残高を伸ばすことは難しい・・・と言えます(預金保険機構の限度額が1000万円というのもありますし・・・)。
したがって銀行マンがお金持ちの元へ通い、何度も営業攻勢をかけるのは「お金を預けてもらうため」というよりは「お金を借りてもらってその金利を稼ぐため」・・・ですね。
ところが、お金持ちはお金持ちゆえに必要のないお金を借りるわけがありません(だってお金を持っているんですから)。
だからどうするか?というと、銀行マンはお金持ちにお金を借りてもらうための目的をつくって、それを提案しているわけです。
多くの場合が事業紹介であり、また不動産投資であったりするわけです。
お金持ちになりたい人は銀行によく足を運びますが、すでにお金持ちになっている人は銀行のほうから足を運んでくれる・・・というのは何とも皮肉な話ですね。