新入社員のうちは上司から「これをやりなさい/あれをしなさい」などと指示をされ、実際、言われたことを正確かつ迅速に行なうことが大事です。
やがて中堅社員になると、上司からの指示は逐一具体的なものではなくあっていき、たとえば「今月のこの商品の売上を1千万円にするように」とか「新商品プランを10個用意してくれ」などといったリクエスト内容に変わったりします。
指示によって求められている結果は一つですが、そこに至るまでの道のり(手法)は幾とおりもあり、それを考えるのが中堅社員の仕事であり能力の発揮どころでもあります。
つまり、指示される内容は単純だけど、そこに予め用意された選択肢はなく、まるで自由回答の白紙問題を渡されたようなものだということです。
さらにこれが管理職になれば、ついには誰からも出題されなくなります。
自分が自分に出題する必要があります。
そして、それができるからこそ管理職なわけであり、できなければ管理職の務めをまっとうできない=役職を返上する・・・といった覚悟が必要です。
さらにさらにその上の経営者ともなれば、
そもそも我が社は今の事業を続けていて良いのか?
今後はこの事業展開を縦・横軸でどの国(地域)でどのような方法で手がけるべきか?
もし事業転換を図るなら、何をどうすべきか?
人事制度はこのままで良いのか?
新たな管理職(リーダー)育成で何をすべきか?
・・・といったことを考え、実行する必要があります。
1年後、5年後、10年後、20年後、50年後・・・の日本と世界はどのようになっているかなどを探り、未来永劫自社が生き残って社員たちが路頭に迷わなくて済むように経営を営む義務があります。
大きな世界観、大局観をもって自社の進むべき道を決めることが経営職の立場にある人の仕事となります。
いずれにしても、管理職以上の職に就いている人であれば、自分の仕事は自分で作る/誰からも宿題は出されないことを念頭に置く必要があると思います。