私は、会社を辞める前の7年間は、かなり集中して社員の「研修教育」に時間を当てました。
社員の中にはすでに管理職に就いている者、管理職手前の者、一般の正社員、新入社員、また正社員ではないけどもパート社員もいました。
それぞれ、グループ別に毎週定期的に時間をとって研修教育の時間を設けていました。
7年という月日をかけても、そこそこ育つ人、あまり育たない人などさまざまでしたが、たいていの人は3ヶ月もあればちょっとは成長し始めているものでした。
部下を伸ばす(成長させる)ことのできるリーダーでありたい・・・と思っていたから、そうした研修教育を長く継続できたのだと思っています。
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トヨタの元社長である豊田英二氏はこう言っています。
「人間がモノをつくるのだから、人をつくらねば仕事も始まらない・・・」と。
自分で仕事をテキパキとできる上司は、部下がのろのろと試行錯誤を繰り返す姿をガマンできず、つい「こうしろ、ああしなさい」と「答え」を言ってしまいます。
「答え」になるかどうかわからないときでも、「このとおりにやりなさい」と自分流を押し付けて自分の体裁を守ろうとします。
こうしたマネジメント術では、部下は指示待ち人間になり、結局成長していきません。
大事なのは「結果」を導くことですが、「組織力を用いて」結果を導くことにあります。
すなわち、「部下を成長させながら会社を発展させていく」ということが重要です。
部下は「もらった答え」よりも、「自分で見つけた答え」のほうが自信を持って集中して行なえるものです。
その結果、部下の成長速度も質も全然違うものになります。
リーダーを評価するモノサシにもいろいろありますが、「部下を伸ばしているかどうか?」という観点は大事なモノサシの一つです。
部下を伸ばすことのできている上司ほど組織では優遇すべきで、また大切に扱うべきリーダーだと思います。