「家賃200万円のお店を1軒持ってビジネスをする」よりは、「家賃20万円のお店を10軒持ってビジネスをする」ほうが、同じ「家賃総額200万円の費用をかけたビジネス」であってもリスクが分散されるので安心感があります。
投資でもよく言われる「リスク分散の発想」はビジネスにおいても重要な視点となります。
上記の例で言えば、リスク分散を講じておいたほうが仮に1つのお店が不振でも残り4つのお店でカバーすることができます。
一つのお店だけだと、その一つのお店が振るわなかったとき、すべてがアウト!となってしまいます。
事業家の中には見栄を張っていきなりドーン!と大きくお店を構えたビジネスを始めたくなる人もいるかもしれませんが、多くの場合、それはやはりキケンな賭けとなります。
起業時にいきなり都心のど真ん中で広いオフィスを構えて、新築のビルに広い事務所を開き、テーブルから椅子から何から何まですべて新品で誂(あつら)える・・・というのは決しておススメできません。
ましてや脱サラをして初めて経営に乗り出すような新規参入者であれば、それは愚の骨頂と言われてもしょうがないことだと思います。
最初はそんなところにお金をかけず、すべて中古品レベルで構わない・・・と判断・実行する起業家のほうが見ていて安心です。
経営の基本は「入るを量りて出ずるを制す」・・・であり、経営者はビジネスを行なうことが使命ですから見栄えや自分の見得にこだわらないほうがベターです。
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多くの起業家は、「ビジネス作りに取り組む」のではなくて、「ビジネスで働こう」としているような気がします。
そんな人は、たいてい失敗します。
「ビジネスに取り組む」というのは、簡単に言うと社長がいなくても売上が伸びていくような状態を作りだすことです。
そのために必要な社内体制として考えられることは、例えば新規のお客さまからの問い合わせが絶えることなく来るような仕組みを作る・・・一定の割合で購入してもらえるような仕組みを作る・・・社員が自発的に考えて動けるような組織を作る・・・などです。
一方、「ビジネスで働く」というのは社長自身が絶えず一生懸命に立ち回ることが必要な状態にあるビジネスです。
社長(経営者)が動かないと仕事が回らないようではその後の発展が期待できません。
「ビジネス作りに取り組む」には、
1.ビジネスモデルを構築する
2.集客の仕組みを作る
3.自社商品を差別化する
4.社員を教育する
・・・などが求められます。
その意識を持って起業する姿勢は大切ですし、起業時にその意識が欠けていてもどこかのタイミングで意識づけを改めることが大事です。
「ビジネスで働く」のではなく「ビジネス作りに取り組む」という姿勢を持つ・・・。
この視点は本当に大切だと思います。