医療は一般的には「患者中心」に治療が行われるのが普通だと思います。
ここで大事なのは「患者中心」という言葉には2とおりの発想が隠れている・・・ということです。
一つは「患者が中心」であり、もう一つは「患者を中心」です。
両方とも患者が中心に位置することに変わりはありませんが、前者の「患者が」は「患者自身の意向を尊重して、ある意味では患者自身の自己責任のもとで治療が行なわれる」ことを指します。
一方、後者の「患者を」のほうは、患者自身というよりはむしろ周囲にいる医者や家族などが患者にとってこれが最善であろうと勝手に忖度してケアを行なう感じです。
意識不明の重体患者などはまさに後者のパターンだと思います。
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ビジネスでは「お客さま中心」という言葉がよく用いられますが、これも上記の話と同様に「お客さまが中心」と「お客さまを中心」という2とおりの考え方があります。
そして多くの場合は後者をとっています。
どちらがベターなのかはその業種・商品内容などにもよりますが、大事なのは「経営サイドとしてどういった考え方でビジネスに臨んでいるのか?」という姿勢だと思います。
経営者の立場にある人、リーダー職として組織の上位に就いている人は、今一度自社の考え方/自分自身の考え方を整理し、それを公開して社員にそれを倣うように促すことが大事だと思います。