1975年(昭和50年)発売の「黒ひげ危機一発」というオモチャがあります。
かなりのロングセラー商品です。
海賊親分を閉じこめた樽にナイフを刺していき、ある箇所を刺したときに親分がビューン!と飛び出し、その人の負けとなります。
若いころにワーワーキャーキャー言いながら仲間と遊んだ経験のある人は多いと思います。
「海賊を飛ばしたら負け」というルールは、発売当初は「海賊を飛ばしたら勝ち」だったそうです(なぜなら、閉じこめられた親分海賊を助けるゲームだったから)。
その後、いろいろ変遷があって「飛ばしたら負け」になったようですが、そのほうが売上が伸びた・・・と聞きました。
あるテレビ番組内でルールを「海賊を飛ばしたら負け」で用いたことも負けルールが広がった要因とも言われています。
ナイフを刺すたびに緊張するオモチャ「黒ひげ危機一発」(「ききいっぱつ」は四字熟語としては『危機一髪』ですが、このオモチャは『発』の字です)の遊び方は人それぞれですが、大事なのはオモチャ自体は何も変わっていない、ということです。
樽にナイフを刺していき、ある瞬間で親分海賊がビューンと飛び出す・・・というのは昔から同じです。
変化したのは遊び方のほうです。
遊ぶ側(人間)の「捉え方」が変わっただけです。
それで売上が変わるのだとしたら、興味深いことです。
商品自体は同じなのにネーミングを変えたら大ヒットした!ということは昔からよくある話です。
やはり大切なのは「人のとらえ方」です。
「出来事は一つ、とらえ方はさまざま」です。
商品自体は同じでも、対象(ターゲット)を変える/陳列棚(置き場所)を変える/発売時期を変える/販売時期を変える/パッケージを変える/ネーミングを変える/使い方(用途目的)を変える・・・といったことで売上を大きく変えることができるかもしれない、と知恵を絞ることが重要だと思います。