会社で、上司(リーダー)がある社員に向かってこう言ったとします。
「○○君、今日も朝から声が大きいね!」
言ったほう(上司)は褒めているつもりだったのに、当の部下のほうは?と言うと、喜ぶどころか意に反してどうもムスッ!としている・・・・・・。
何か機嫌を損ねたのか、それとももともと今日は朝から機嫌が悪いのか?
一般論でいえば、部下の立場である社員が上司に対してこうした態度をとるのはNGです。
どんな事情があれ、そこはニッコリ笑って「ハイ、ありがとうございます」と返すのがデキる社員の処世術です。
また、話しかけた上司も言い方に注意をする必要があります。
「声が大きいね!」という表現は、自分では褒めたつもりであっても、受け取る人によっては非難されているように聞こえることもあります。
だから、どうせ言うならこうです。
「○○君、今日も朝から声が大きくていいね!」
この「いいね」のたった一言を付け加えるだけで、誉め言葉として言っているのが伝わります。
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リーダーは、自分が声をかけた相手が新入社員であれ、古株社員であれ、誰であれ、自分の声かけによってその人の機嫌を悪くしてしまったな・・・と気づくことがまず大事です。
そして、素直にその事象を受け入れて、声掛けをした自分に何らかの原因(責任)があることを認識すべきです。
自分はそういうつもりで言ったのではない・・・としても、期待した反応が得られなかったとすれば、やはり自分のアプローチの仕方に問題があったということが言えます。
できることなら、素直に相手に直接聞いてみることがベターです。
相手からフィードバックを得て、今後は気をつけるという改善・工夫がマネジメント力アップにつながります。
これと同じようなことは、漫才やお笑い芸人などについても言えます。
彼ら・彼女らがステージに立って芸を見せるとき、もしも話がスベッてしまって思ったように観客から笑いを取れない・・・としたら、それは観客が悪いのではなく、その程度の笑いしか取れない芸人のほうに責があります。
たとえ、大阪のお客はこれでどっかーん!と笑ってくれた・・・としても、それはそれで東京の観客とは環境・状況がことなるのですから、言い訳にはなりません。
どんな地域・場面でも、目の前の観客を笑わせる責を全うすることができて初めて一人前の芸人であり、ステージに立つ資格があります。
笑わせられない自分は悪くなく、笑ってくれないお客が悪いんだ(ノリが悪いんだ)!・・・などと言っていたら、その芸人は間違いなく干されていくでしょうね。
観客(相手)の反応を見ながら、その場その場に応じて笑いを取れるように実力をつけることが芸人には求められると思います。
話がそれましたが、会社ではリーダーは部下におべっかを使う必要はないし、また、部下は上司のために働いているわけでもありません。
ただし、同じ組織で同じ方向に向かって働く一員として、互いにコミュニケーションを円滑にとって、大人として双方ともに気持ち良く仕事をすることは大切なことだと思います。