多くの中小企業では、リーダーが社員一人ひとりに対して「あなたには将来的に当社でこうなってもらいたい・・・」などといったことを特に話していないと思います。
リーダー自身の力量不足もありますが、社内にそうしたことが言える雰囲気もなく土壌がそもそも出来上がっていないことも原因です。
だから、何もそうしたビジョンが示されないまま惰性的に業務に就いている社員がほとんどで、それが時間とともに士気・意気減少につながったりします。
社長や各リーダーが頭に描いている社員像と、社員自身が何となくイメージしている社員像とで一種のズレが生じ、それによって徐々に意思疎通もズレていったりします。
これがそれなりの大企業になると事情が少し違ってきます。
優秀な大企業では、リーダーと部下の面談や業務成績のフィードバックが定期的かつ頻繁に行なわれています。
なぜなら、仕組みとしてそうした環境ができていて、各種のズレを修正する仕組みが社内にすでに組み込まれているからです。
ここに大企業と中小企業との差の一つがあります。
言えるのは、中小企業でもそうした仕組みを取り入れればよい/作り上げれば良い・・・ということです。
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社員の成長スピードは、社員一人ひとりによって異なります。
この当たり前のことが理解できていないリーダーはリーダー失格です。
5人の新入社員がいても、その5人が1年後にまったく同じレベルで成長していることはありえません。
それなのに「同じように成長している・・・」と密かに信じこんでしまっているリーダーが数多くいるのは残念です。
一人ひとりの性格をよく見て、一人ひとりの将来の成長イメージを伝え、そこにたどり着くまでの教育を個別に施してあげることが大事です。
それらが合わさって社員全体のレベルアップにつながります。
同じ指示を出すにしても、上司は自ずと部下一人ひとりに対して指示の仕方/言葉の用い方は異なってくるのが本来の姿です。
ほったらかしにして何も研修教育をしないでいたら成長できるハズだった部下も成長できません。
もし、自分が上司の立場で自分の部下が成長していない・・・と思うなら、まずはこれまで一人ひとりの部下に対して何をしてきたかを振り返り、リーダー自身のマネジメントミスに気づくことが必要です。
そして、これから何をすべきかを考え、部下と一緒になって部下の未来の姿をイメージしていくと良いと思います。