因果関係の妙を説く言葉の一つに「風が吹けば桶屋が儲かる」という話があります。
→ 風が吹けば砂が舞い上がり、砂が目に入り、目が悪くなる人が増え、そのため三味線弾きで生計を立てる人が増え、三味線が売れ、三味線には猫の皮が必要だから猫が捕られ、それによってネズミが増え、ネズミが増えると桶がかじられ、桶の需要が増えるので桶屋が儲かる・・・という何とも長い因果関係の話です。
結論だけ言えば「風が吹けば桶屋が儲かる」ということです。
「一見無関係なものをつなげていく・・・」という関係性においては、短絡思考だけでは「つながる理由がわからない」となり、傲慢な人ほど「自分がわからない/理解できないことは否定する」という考え方に傾きがちです。
でも、自分がわからない/知らないからと言ってそれがすべて間違っているというのはとても乱暴な発想です。
人は全知全能ではなく、世の中には自分が知らないこと/理解できていないことが山ほどあります。
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自分の1年後・・・3年後・・・10年後・・・20年後がどんな状態にあるのかは誰にもわかりません。
サラリーマンだって、20年後に自分が今の会社で働いているかどうか断定できません。
結婚して子どもがいる家庭でも、20年後に今と同じ家族構成で暮らしているかどうかわかりません。
20年と言わず2年というスパンで考えても、賃貸住居で暮らしている人は2年後の更新時期に合わせて別の処に移り住んでいるかもしれません。
言えるのは、今日の決断が数年後の自分をつくる・・・ということです。
今日も何もしないまま生きていくと、数年後には今日とほぼ同じことをしている自分がいると思われます。
もしかすると、世の中がどんどん先へ進んでいく分だけ自分は知らず知らずのうちに階下に下げられているかもしれません。
逆に、今日から新しいことを始めたなら、数年後には成長した姿の自分がいると言えます。
一から始めることは遠回りな気がして途方に暮れるかもしれませんが、実は一番の近道なのかもしれません。
仮に、現状何も不満がないとしても、「転ばぬ先の杖」で何かを始めてチャレンジしてみる姿勢があっても良いと思います。
何が何にどうつながって因果関係を構築していくかわかりませんが、今はわからなくても(自分には理解できなくても)それで良いと思います。
絶えず自分を成長させる/挑戦し続ける・・・という姿勢を持ち続けることで、今は目に見えない因果関係を将来的に構築していく、かつ、それを楽しめる自分であることが大切だと思います。