投資に腰の重い人の多くは、思考回路のどこかに「1円たりとも損をしたくない」という思いがあります。
いわゆる「完璧志向」です。
そのため、リスクを少しでも感じると、どんなに良さそうな投資案件でも「検討します」と言って・・・(実際は検討すらしないのですが)、結局、投資に手を出すことがなく、そのまま何もしない状態を続けます。
そんなある意味では潔癖症にも近いような人は、投資に限らず、恋に関しても奥手だったり、受験でも安パイしか受けなかったり、買い物でもやたら時間をかけていろいろ考えるクセを持っているかもしれません。
確かにそうした気持ちもわかります(私もかつてはそんな点がありました)が、でも、多少の損失は覚悟のうえ、あまり多くを気にかけないで前へ進むほうが得策であることのほうが多いと思います。
人生経験が豊富な人ほどそう言うと思います。
逆に言うと、人生経験の浅い人ほど慎重になりすぎ、リスクを取ることを極端に恐れる傾向がある・・・と言えます。
慎重に検討する姿勢は大切ですし、何も考えずカンだけで物事に手を出すのはキケンですが、でも、深く悩まずサッサと前へ進む(もしくは手を出さないと決断する)ほうが「気がラク」です。
気がラクだと精神的に安定し、平常心を保てます。
不動産投資で言えば、理想は「満室経営」です。
でも、そうした100%の状態を追い求めてばかりいても、常時満室はあり得ません。
必ず退去する人が出てきて、空室になり、リフォームが必要になるときがあります。
物事は100%を追い求めると、気が張り詰めて夜もいろんなことを考えて寝付けなくなったりします。
不動産投資(賃貸経営)で言えば「まあ満室は理想だけど、でも10%程度の空室や家賃滞納は仕方がないな、まあ必要経費の一部だと思おう」・・・と認識すると、一気に気がラクになります(実際、私もそうなりました)。
大きく前進したいなら、目先の小さな損は気にしないほうが良いです。
極端なことを言えば、1億円を運用するトレーダーは千円や1万円の損なんて気にしないで、その損を取り返すべくもっと大きな利潤を追求します。
個人レベルの投資に関しても同様の認識と覚悟が大事です。
自分で許容するリスクの範囲を予め決めておき、その範囲内は必要経費の一部だと思うくらいの寛容さを持ち、多少の損は無視して意識から外すと良いと思います。
気にしないようにしたほうがよっぽど時間の節約になりますし、精神的にも安定状態を維持できます。
投資、家電、旅行、それ以外のモノや経験なども、損を恐れていたら買えません。
買えないと人生が先へ進んでいきません。
悩んで時間をかけて1しか進まないよりは、サッサと10進んで、まあ1は損したけど9は得した・・・というパターンのほうがベターです。
営業マンの新規顧客開拓にも通じる話です。
数多くアタックするほうが新規顧客の獲得につながりやすくなります。
百戦百勝を求めない/10%程度の損は必要経費と思う・・・といった心の余裕があれば、知識と経験豊富になり、その結果、人生も好転していくと思います。