「失われた30年」は「守られた30年」でもあった・・・

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先日、車の中でラジオを何気なく聞いていたらこんな話が流れてきました。

あるリスナーさんの投稿で、その人はかつて受験番号が44番だった。

友人は「まるで(4ね4ね)」と言っているようで縁起の悪い受験番号だな・・・とポツリ。

ところが本人は「いや、4と4であわせ(幸せ)だから縁起の良い番号だよ」と。

結果、見事に受験に成功して合格したとか。

改めて「出来事・物事は一つ。とらえ方はさまざま・・・」だと思いました。

・・・・・・・・・・・・・・

日本ではバブル崩壊後からその後経済が活性化するまでの期間を称して「失われた30年」・・・といった言い方をします。

この間、コロナ禍もあり、世界中で景気が悪い時期もありました。

企業では、利潤が少なくなる/経営が悪化することを避けるために「人件費削減→工場を海外移転/海外の人件費の安いところに業務委託」などといった手を打つことがあります。

ここで面白いのは、仮に10人の雇用があれば、10人を雇用したまま10人の給与・賞与の総額を減らす、といった手を打つのが従来からの日本企業の対処法だということです(法律上も簡単にはクビにできない)。

ところが、アメリカなどでは10人のうち生産性の低い一人がクビになり、雇用を維持するのは残り9人だけだったりします。

会社は利益を増し、9人はそのまま仕事を続け、クビになった一人だけが悲惨な生活を迎えることになります。

そして、ここで社会の分断が生じ始めるわけです。

日本は仮に10人全員で賃金低下となっても甘んじて皆でそれを受け入れ、それが結果として「社会の分断を生まなくて済む」ことにつながるわけです(みんなの賃金が減って社会は長くデフレになったけど)。

ここが「失われた社会/30年」と捉えるか、それとも「守られた社会/30年」と捉えるかの分かれ目です。

出来事は一つで解釈の違いがあるだけです。

日本式が良いのか欧米式が良いのかは人それぞれの判断によります。

日本式のやり方で透けて見えてくるのは昔ながらの「三方良し」なのかもしれません。

経営は「買い手良し」だけでなく、社員も含めた企業全体の「売り手良し」も必要ですし、加えて「世間良し」も大切です。

日本は「三方良し」の精神を守ったことで、長期目線では欧米よりもはるかに安定した社会を残すことに成功した・・・とも言えそうです。

その「三方良し」という経営観の根底には「仕合わせ」という社会観があります。

「仕合わせ」とはみんなが互いを支え合うことにつながり、それが「幸せ」をもたらすことにもつながります。

一部の人の繁栄と引き換えに社会の分断を招いてとしても良しとするか、それとも足るを知り皆が幸せな生活を築くことを良しとするか・・・日本の深い叡知がこもっているような気がします。

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