銀行員の人でコツコツとお金を貯めて、ある年齢のときに首都圏の郊外の地域にマイホームを現金で一括購入した強者が昔いました。
額にして数千万円ですから、大したものです。
なかなかマネのできることではないし、そこまでコツコツとお金を蓄えてきたことも尊敬に値します。
でも、このやり方で良かったのかどうか?・・・というと、ちょっと疑問が残ります。
1. マイホームから会社までの通勤に、片道だけで90分以上かかり、毎日往復で3時間~4時間を奪われます。
1日24時間のうち、実に6分の1~8分の1の時間に該当します。
2. 手持ちの現金をすべて使って購入しなくても、住宅ローンを組んで購入することもできたハズです。
しかも、その場合の利率は高くても1%台のハズです。
現金を手元に残し、ローンの借り入れ利率よりも高い利回りで運用(←1%以上)すれば、トータル的にはそのほうがお得です。
利回り1%以上での資金運用もできないほどその銀行員は金融知識が乏しかったのか?というと、そんなことはありません。
なぜなら、投資に関する仕事をしている人だったからです。
3. 普段から仕事ではお客さまに各種投資商品を勧めて販売しているわけで、それらはゆうに1%以上の商品群です。
つまり、他人にはそれを勧めているのに、自分ではそのリスクを恐れて手を出さない・・・という姿勢で、これは「言行不一致」の表れです。
言行不一致は信用を失います。
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大企業で働くエリート社員ほど「保守的」な人が多いと言われます。
保守的・・・とは、結局、リスクを恐れ、変化を恐れ、失うことを恐れる傾向が強いことで、「新しく得られるものよりも既得益の消失のほうを嫌がる」ことを言います。
そういう人にとっては、「いい大学に入って、いい会社に入って、安定した収入をもらって、定年までソツなく働く・・・」ということが何よりも大事なのかもしれません。
「リスクをとる」とは、ある意味では「損失を覚悟すること」です。
心配ばかりしてリスクをとらないサラリーマンになるか、それともリスクを恐れず未来に期待を抱くビジネスマンになるか・・・?
サラリーマンの生き方のすべてを否定するつもりはありませんが、私はビジネスマンの生き方のほうをいつもおススメしています。