かつて、「就職氷河期」と呼ばれた時期があり、当時、多くの新卒学生は自分の就職先が全然決まらず、苦悶の毎日を過ごしました。
特にリーマン・ショック後は「もう就職できればどこでもいい」・・・というくらいに学生も血眼になって就職先を探していました。
それから10年ちょっと経った今では、様相もすっかり変わって、就職戦線は「空前の売り手市場」とも言われています。
2020年卒の学生が職場へ希望する条件の一例として「毎日20時には帰れて、仕事は裁量権が大きい仕事で、30歳までに年収800万円もらえるところがいい」・・・などと報道されていたくらいです。
就職氷河期世代が聞いたら、ひっくり返るような言葉だと思います。
昭和の高度経済成長、バブルから、平成に至っては平成不況、リーマンショック、アベノミクス・・・となり、令和の時代がどうなるかはこれからですが、次々と「良いと悪いが交差、反復する」のが世の中の常です。
一つ言えるのは、どんな才能で、どんな人格で、どんな勉強をしてきて、どの大学を出たか・・・ということよりも、本質的には「いつの時代に生まれたか」のほうが就職(就社)先が決まるのに大きな影響を与えているということです。
その人が就職活動をした時期が、経済が不況のとき(=買い手市場)だったのか、それとも今のように売り手市場のときなのか・・・・・・・たまたま生まれた時期の10年、20年の差が運命の違いを生み出します。
生まれた時期の違いで収入や立場が決まってしまうとは、本当は思いたくないことなのですが、でも、やはりそう認めざるを得ません。
スタートの段階で差があるのは「不公平」と言います。
ゴールの段階で差があるのは「不平等」と言います。
世の中、多かれ少なかれ不公平なことがまかり通っているもので、そうした理不尽なことでも受け入れて対応しながら生きていくことが大事なのだと思います。