日本の「君が代」は「~苔のむすまで」という歌詞で終わります。
「苔のむす」とは「苔の生(む)す」で、つまり「苔が生えるくらいにじっと動かないほど永く続くこと」を意味しています。
苔が生すには、じっと「静」の状態が続くことが必要で、それだけ平和で安定した環境にあるとも言えます。
英語の諺に「A rolling stones gathers no moss (転がる石には苔は生えない)」というのがあります。
まさに日本流で考えれば、これは「転がる石だと苔が生えないからダメだ・・・」と解釈できますし、実際イギリスでの解釈も同様のようです。
→ 一か所に落ち着いて仕事をしない人は大成しない、信用できない・・・
→ 何事も人間もコロコロ変わるのは良くない・・・といった意味です。
日本の諺にも「石の上にも3年」とありますね。
面白いのは、同じ英語の諺であってもアメリカでは意味が反対に解釈されていて、「転がる石には苔が生えないので、どんどん動き回って変化に富むのが良い」とプラスの解釈がされています。
言葉・表現はもちろん大切なのですが、もっと大事なのはその言葉・表現にどんな「意味付けをしているか?」ということです。
会社でも、社員同士が共通の言語・表現を用いることはとても大切ですが、肝心なのはその言葉ではなくて、言葉の定義(=意味付け)のほうにあります。
ところ変われば品変わる・・・ですから、その品を見定めて統一しておくことは重要です。
ちなみに、「ローリング・ストーンズ」という有名なロックバンドは、イギリスで結成されて後にアメリカで大ヒットバンドとなったというところが何とも面白いところですね。