日本人は「相手を慮(おもんぱか)る」という美徳の姿勢を有しています。
これは大変すばらしく、誇らしいことだと思います。
お店のレジでお客さんが財布を開きながら「あーごめんなさい、一万円札しかないわ」と謝りながら支払いをしているシーンがありますが、まさにこういうところが日本人らしいところで外国ではまず見られないことです(タクシーの降車時にも同じことがあったりします)。
高額紙幣で少額の支払いをすると相手に釣銭の面倒をかけてしまう
→ それは相手に対して申し訳ないことだ・・・という発想が日本人の教育・躾に根付いているわけで、これが「慮る」という姿勢だと思います。
本来、別にお客さんが謝ることではありません。
日本以外の国で、高額の紙幣しか手持ちにないとき、お客さんが謝りながら支払いをする習慣・美徳のある国は私が知る限りありません。
他の国であれば「自分はお金を払う客なんだから相手よりも上の立場だ」といった感情が先に出て横柄な態度でお金を支払ったりするのが日常かもしれません。
こうした美徳の観念や心の姿勢や文化というのは、時代の変化とともに薄れてきた感があり、最近の若い世代の人にはちょっとした違和感もあるかもしれません。
50代半ば過ぎの私には残念ことですがこれも世の中の流れなのでしょうね。
ただ、自分自身の誇りと矜持として、自分が身につけてきた「慮る姿勢」は絶やすことなく、これからも発揮できるように心がけて生きていこうと思います。