戦後の1950年代から1970年代半ばくらいまではいわゆる高度経済成長期と呼ばれる時期で、日本企業の設備投資に対する意欲は非常に高く常に資金不足の状態でした。
借り手になる企業が次々と現れてきたので日本の政策金利は5~10%前後を維持し、それが長らく人々の頭には刷り込まれてきました。
「借金は金利が高い/銀行にお金を預けておけば自然とどんどん増えていく」と信じる人が多かったわけです。
実際そのとおりでしたし、相関関係にある景気も非常に良かったと言えます(だからこそ高度経済成長時代だったわけです)。
景気の流れにはある程度の循環が見受けられますが、1985年のプラザ合意以降はさらに
日本経済は活況に沸き、好景気の波が訪れて人々は浮かれました。
世に言う「バブル経済期」です。
ところが、その後「バブル崩壊」が起き、たくさんの人が経済的破綻の経験をすることにつながっていきます。
高金利を維持していた日銀の政策金利は1993年には2.5%まで引き下げられ、1995年以降はほぼ0%(≒ゼロ金利)で推移しています。
当時を知る人/当時が現役時代だった人も今では60歳を超え、もはや現役を退いている人も大勢います。
つまり、今現在、世間で活躍をしている現役世代の多くは「バブル期」を知らず=好景気に沸く日本経済を知らず=低金利時代でしか生きていない世代になってきているわけです。
ちょっと乱暴に言うと、高金利で預金→財産を築いていった層は皆高齢者になっていて、そうした富裕層の多くはもはや高齢者となって表舞台から消えたところで生きている・・・です。
高齢者=おじいちゃん、おばあちゃんです。
40代以下の富裕層というのはかなり少ないと思います。
若い人は超低金利時代を生きてきているから基本的にお金がなく、年齢を重ねている老人たちはお金を持っているけどそれをなかなか世の中に放出しない・・・という構図です。
金利が低くて好景気、というのはなかなか難しい話ですが、金利が高いと好景気か?というと、それはそれで必ずしも正しいとは言えません。
密接な関係にありますが、唯一の方程式は成り立たないのが経済というものなのだと思います。
話がズレましたが、かつての富裕層の多くは今は高齢者となり、今の若い世代の人は昔の高度成長期を知らないまま手探りで今の低金利時代を切り開いて生きています。
時代は変化し、その変化に対応して自分自身も変化することが生き残るには重要です。
高齢者は若い世代に普遍的な知恵を授け、若い世代は温故知新の精神で過去と現在を結びつけ、互いに幸せな未来像を構築していく共存体制を整えることはとても大切なことだと思います。