仮に1兆円のお金を持っていてそのうち100万円を使ったとしても、「あー、贅沢したな」と思う人はほとんどいないと思います。
100万円が全財産のとき、100万円を一気に使うと「贅沢した!」と強烈に思うと思います。
100円持っている人が1円使ったときに贅沢をしたと思うか?・・・たぶん思わないでしょうね。
人もよりますが、持っているお金の100分の1の金額であれば、あまり贅沢とは思わないと思います。
人が「贅沢」と感じるのは、「使ったお金の金額」ではなくて、「使ったお金が保有しているお金の中に占める割合」に関係するものです。
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最近の若者は車離れが進んでいると言われます。要は車を保有しなくなってきた・・・ということです。
昔から車は贅沢品の一つとして数えられてきましたが、ここには大きなワナが隠れていると思います。多くの人は「車は贅沢品だ」という刷りこみを小さい頃からされてきています。
「車は贅沢品」・・・という固定概念がほとんどの人の中に無意識のうちにでき上がっています。
では、果たして本当にそうなのか?
1950年代後半、三種の神器と呼ばれた家電が3つあります。「白黒テレビ・洗濯機・冷蔵庫」です。
高度成長期になって1960年代半ばには似たようなもので「3C」と呼ばれる贅沢品が登場してそれは「クーラー・カラーテレビ・カー(車)」でした。
当時の時代背景ではそうした三種の神器も3Cも高嶺の花の品で、庶民にはなかなか手の届かない 「贅沢品」であったと思います。
昨今ではもうそんなことはなくて逆にテレビ・冷蔵庫・洗濯機・クーラーがない家庭はほとんどないと思います。
唯一「車」だけが、未だに贅沢品の名を維持しているわけです。
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ところが、お金持ちの人は車を贅沢品とはまったく考えていません。
テレビやクーラーと同じように生活必需品の一つとして、また家族人数に合わせて複数台保有することも当たり前の感覚を持っています。
車を贅沢品と思っている人は、もしかすると「雇われ感覚のサラリーマン」の類の人たちなのかもしれません。
たとえば、3億円持っている人からすれば300万円の車は100分の1で買える金額です。
3万円持っている人の300円と同じ・・・
2000円持ってる人の20円と同じ・・・
100円持っている人の1円と同じ・・・です。
100円持っていて1円使ったときに「贅沢をした」とは思わないのと同じで、お金持ちの人からすれば、車を複数台購入することは衣服を何枚も買うのと同じような感覚なのかもしれません。
また、車を複数台置けるだけの駐車場が自宅にあるということがまず「土地を持っている」ということですし、やはり車を複数台保有するということはお金持ちの証拠だと思います。
車は資産か?・・・と言われれば、財産ではあるものの保有することで出費する金額のほうが多いので、私は「財負債」というとらえ方をしています。
服や靴を何着持っていても着なければ(履かなければ)意味がないように、車を何台も持っていても運転しなければ意味がない・・・とまあ個人的には思いますが車好きな人は必ずしもそうではないのかもしれません。
ちなみに、我が家は1台置くのがやっとです。