かつて昭和時代のほとんどはインフレの時代でした。
40代以上の人は、そうした時代に経済活動を行ってきた経験が自分の中に強く残っています。
そのときの常識観はなかなか拭い去ることができないものなのかもしれません。
インフレが当たり前だと潜在意識ができると、「給料(収入)は増えて当たり前」という固定観念ができます。
貯金も増えて当たり前・・・という固定観念もできるかもしれません。
でも、インフレになったときの物価上昇に金銭価値が追いついていなければ、実質的には下がってしまうことになります。
当然、貯金の実質価値も変わります。
極端に言えば、物価が2倍になれば自分の貯金額も2倍になっていなければ割に合いません。
それなのに、利息ゼロで増えていなければ貯金価値は2分の1になったも同然です。
「ただ貯金するだけで良い」のは、利息が物価上昇に見合う分だけ付くとき・・だけでしょうね。
ただ、面白いことにこれを「借金」で考えると反対のことが見えてきます。
物価が上がり、借金額に変更がなければそれは「実質的な借金の目減り」を意味します。
当初1億円の借金は、インフレで物価が2倍になったときには実質5千万円の借金みたいなものです。
「みたいなもの」というのは「価値が同じ」という意味です。
これを意図的に考えて、インフレ(物価を上げていく)にする→借金の価値を下げる・・・ということを目論む人(為政者)がいても不思議ではありませんね。
今後、多くの人が考えるべき方向性としては「目先的にはインフレ傾向にある」前提で、自分の近未来のライフプランとマネープランを練っておくことだと思います。
アベノミクス・・・とは、インフレの世に時代を導くことでかつての古き良き時代だった昭和の経済活動を呼び覚ますもの・・・なのかもしれませんね。