ローンの返済方法には、元利均等払いと元金均等払いの2通りがあります。
私が今から19年前に初めて住宅ローンを組もうとしたとき、予め本などで勉強して「元金均等払い」のほうが良い・・・という認識があったので、それで申し込んだところ担当者から「それはできません。元利均等払いしか認めていません」・・・という何とも冷たい返事がありました。
そのときに学んだのは、「結局、本に書かれていることは建て前で原則的なことであって、現実に通用することが書かれているわけじゃない、机上の空論が書かれているんだな」・・・ということです。
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昨今の不動産投資本にも、「元金均等返済は毎月の返済額は大きくなるけど、最終的には元利均等返済と比べると利払いが少なくて済むので良い」・・・などと書かれています。
たとえば、1億円、金利2%、期間25年という条件で比べるとこうなります。
○ 元利均等返済の場合
毎月返済額→約42.3万円
総額支払利子 → 約2,715万円
○ 元金均等返済の場合
毎月返済額→約50.0万円
総額支払利子 → 約2,508万円
見るべきところは、最終的に支払うことになる「総額支払利子」です(元金はどちらも同じですから)。
確かに元利均等返済の方が、利払いの総額が多くなります(=25年間で約207万円の差)。
・・・ただし、ここで一つ着目すべきことがあります。
それは、25年で割ってみると、年間では約8.3万円の違いでしかない!ということです。
1ヶ月に直すと約7千円の違いです。
毎月・・・毎年、手元に残るキャッシュを多く残しておきたい時期(資産拡大期)などは、この事実を踏まえると元利均等払いのほうが良い・・・とも言えそうです(←元金均等払いだと最初のうちは手元に残るお金が少ないので)。
もちろん元金均等返済にも、隠れたメリットがあります。
それは、返済期間途中での売却を想定する場合です。
毎月の支払いによって元金がガンガン減っていきますから、売却時の残債は少なくなっていて、その結果、売却時に手元に残る金額は多くなります。
また、元金均等返済にすると残債の減少が早くなるので、それはBS(バランスシート)上の数字が良くなることを意味し、銀行評価が高くなることでもあります。
つまり、見る視点/とらえる着眼点によって導かれる答えは必ずしも同じにはならない、ということです。
選択して、決断するのはいつも自分自身です。
他者(銀行など)に決められて行動するのはイヤですが、自分で決めて行動することは責任も取れますのでベターだと思います。
ローンを組まれるときは、「元利均等払いにするか、それとも元金均等払いにするか?」をご自身の思考と判断で決定するのが良いと思います。