サラリーマンは所得税などの税金を毎月、会社のほうで自動的に源泉徴収されています。
この制度はある意味では大変便利でありがたい制度なのですが、別の角度で見れば人の感覚をマヒさせるような制度でもあります。
そもそも「税金を予め自動的に徴収する」というのは、ナチスドイツで考えられた制度と言われています。
当時、ヒットラーが民衆を支配する際に税金を支払っている意識を薄れさせようと図って考案されたとか・・・。
支払う側の民衆にとって税金というのは痛みに当たりますが、源泉徴収だと税金を引かれても一応はお金(給料)は手元に入ってくるので、その痛みは感じにくくなります。
そのうち、その手元に入ってくるお金(給料)がそもそもの自分の給料だと錯覚して、やがて痛みを感じなくなります。
税金に関する痛みの感情をマヒさせる・・・という狙いです。
サラリーマンに関しても同様で、ほとんどの人は会社に入社したときからずっと源泉徴収されて給料をもらっていますが、そのことに何ら違和感や不満を持っていません。
「当然!」だと思っているからです。
「税金を取られるのは痛い」・・・という本来であれば誰もが抱く感情をかき消してしまうこの源泉徴収制度というのは、官僚や為政者にとってはすばらしい制度だと思います。
何と言っても「取りっパグレがない!」という意味では最高です。
ところが、サラリーマンから個人事業主になると、状況が一変して、この制度の是非に気づくことができます。
個人事業主は、1年を通して事業活動を行ない、最後にまとめて確定申告にて税金を納めます。普段の源泉徴収がされていない分だけ、いきなり多額の税金納付は「痛い」と感じるものです。
サラリーマンは「収入-源泉徴収された税金=自分の手取り額」という構図ですが、個人事業主は「収入-経費=自分の手取り額」で「その手取り額から税金を納める」という構図になります。
まあ、それがまた面白いところでもあり、いろいろ工夫をすることによって納税を楽しむことができるように感情をコントロールする術を学べるところでもあります。
サラリーマンの人も、源泉聴取されている自分の税金について、どこかで一度考えてみるという姿勢は大切だと思います。