中国・四川省の古くからの諺に「白猫であれ黒猫であれ、鼠(ネズミ)を捕るのが良い猫である」という言葉があります。
外見・表面的なことはどうであれ、本質的なことがしっかり成されればそれで構わない・・・ということです。
不動産投資においても、所有者が物件に対してどう思おうと、「この部屋に住みたい!と思う入居者がいてくれさえすればそれで構わない・・・と言えます。
また、物件を購入するとき、購入希望者がどう思おうと、金融機関が「融資に値する」と判断してくれなければお金を借りることはできません。
そのとき、金融機関が判断のよりどころにするのは主に「担保価値」です。
入居者がつくことによって見込める「収益価値」よりも、物件そのものが持っている「担保価値」を重要視するわけです。
つまり、金融機関にとって良い物件と、不動産投資家にとって良い物件は必ずしも一致するとは限らない・・・ということです。
金融機関がそう判断するのは、やはり万が一に返済が滞ったときのリスクを考えてのことです。
もしも、融資の返済が滞った場合はその担保物件を売却すれば、融資金額を回収する見込みが立つから融資をしてくれるわけで、毎月入居者からの家賃収入を当てにして融資をしてくれることはまずありません。
金融機関(=銀行・信用金庫など)とは、まあ、そんなものです。
不動産投資家にとっては、どんな物件であれ「入居者がついて家賃収入が見込める物件」が良い物件ですが、立場を変えて金融機関にとっての良い物件というのは「担保価値のある物件」となることは、とても大切なポイントです。
ビジネスでもプライベートでも、「立場が変われば見方が変わる/見方が変われば導かれる結論も変わる」・・・ということを理解・認識しておくことは大事だと思います。