昔、「消費税」というものがまだなかった時代では、消費者が1万円使えば企業の売上も1万円でした。
1989年に消費税3%が導入されると、消費者が同じ1万円を支払っても企業の売上は実質9,700円となり、1997年に5%となってからは、企業の売上は実質9,500円となり、2014年に8%になると9,200円となりました。
それが、まもなく消費税10%となるわけですから、消費者の支払額が同じ1万円だと仮定すると、企業の売上は実質9,000円になります。
仮に消費者の支払額が同じだとしたなら、長い目で見て企業の売上は10%減少していることになります。
消費者が11,000円使ってくれて、やっと1989年と同程度(レベル)です。
消費者が30年前よりも10%余計に使ってくれても企業サイドとしては30年前と同じ・・・ということです。
何だかちょっと虚しいような残念な感じがします・・・・・・。
企業に勤めるサラリーマンの平均年収は毎年下がり続けているのに、公務員の給与はなんだかんだと上がってきています。
消費税は国に入り、公務員の給料に流れている・・・・・・といううがった見方もできなくもありません。
見方を変えれば、30年間、経済全体が縮小してきたとも言えそうです。
売上が減少すれば利益も減少して不思議ではありません。
まあ、そうならないようにコスト削減など、企業側はいろいろな努力を重ねて今日があるわけですが、コスト削減は諸刃の剣の要素を含んでいて、別のところでの消費を抑え込んでしまうことになります。
企業としてコスト削減の意識を高めることは重要なのですが、そうやってさまざまな経費を減らすことで、違うところでは消費が冷え込む・・・という悪循環に陥ります。
原則としては、世の中は消費活動を活発にして微弱のインフレ意識を持つくらいで丁度良いと思います。
でも、個人消費は冷え込んでいて、「収入以上に支出をすることはできない」が縛りとなり、無い袖は振れない・・・お金を使いたくても使えない・・・まあいいか・・・特に欲しいものもないし・・・と人の心は後ろ向きになっていたような気がします。
残念な悪循環はどこかで断ち切っていかなければいけないと思います。
消費税増税に負けず、消費を活発にする気持ちを多くの人が持つようになると良いですね。