多くの人が気になる老後の金銭対策ですが、その中心にあるのは間違いなく「公的年金」です。
現役時代にキチンと保険料を納めていたことが前提ですが、公的年金はすべての人がある一定の年齢で受け取れる貴重な収入源です。
金額が多いか少ないかは別として、「何もしなくても生涯もらえるお金がある」というのは、かなり大きな安心材料となります。
公的年金だけでは暮らせない・・・というのも十分頷けますが、極端なことを言えば、生活水準を下げて「とにかく公的年金だけで生活ができるようにする」という是正覚悟さえあれば、人は老後を何とか生きていけます。
この覚悟を持てず自分の生活水準を下げることができない人は、どこかで破綻をする道をまっしぐらとなります。
そうなりたくなければ現役のうちに「私的年金」をつくっておく必要があります。
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サラリーマンであれば、毎月の給料から強制的に厚生年金保険料が引かれ、将来は老齢年金に加えて厚生年金がもらえます。
一方、自営業者は老齢年金だけで厚生年金がありませんから、現役時代に保険料を自分で追加して付加年金や国民年金基金や小規模企業共済に加入しておくと安心です。
掛金は全額所得控除となり節税にもなります。
こうしたことに共通しているのは「目先のことだけではなく将来を見据えた行動をして、『損をして得をとる』ことを心掛ける」ということです。
損して得をとる・・・という発想/姿勢は普段の生活でもビジネスでもけっこう大切な概念です。
意味は違いますが、「損をして・・・」という部分には「他利」という概念も含まれています。
自分だけの利益を追求するのではなく、他者の利益を良しとする発想です。
ここが大事なところだと思います。
自分が老後を迎える数十年後に今の年金制度がそのまま継続しているとは限りません。
支給開始年齢がもっと後の年齢になっていて、しかも支給額が今よりも減っていることだって容易に想定できます。
だからこそ公的年金だけに依存して、何も手を打たずに無策のまま老後に突入するのはそれなりのリスクがあると言えます。
別途備えておくほうがベターです。
将来の公的年金に過度に依存するのではなく、考え方を少し変えて「年金があればラッキー」程度に捉え、仮に公的年金がなくても生活を不自由なく送れるように財政基盤を構築しておくのが良いと思います。
公的年金に依存すればするほど、いざ頼れなくなった場合に慌てふためくことになります。
でも、最初から公的年金に期待していなければ、そこでもらえる公的年金はプラスのお小遣いのようなものとなり、老後をゆとりをもって暮らせると思います。
(ただしその解決手段を「節約貯金」に求めるのはちょっと違うと思いますが・・・)
何かあったときのためにお金を貯めておくよりも、何が起きてもお金を生み出せる能力やお金を生み出す方法を作り出せる能力を磨くことが若いうちには重要ですし、歳を重ねるほどに「権利収入」の収入源をつくっておくことがその解決策として良策だと思います。