不動産は、株式や債券と違って「唯一無二の存在」であり、まったく同じ不動産が2つあるということがありません。
同じマンション内であっても、位置が違いますし、向きや緯度経度が違います。
そのため、不動産は株式や債券とは違って、キチンと整備された「流通市場」というものが存在しておらず、売買はすべて「相対(あいたい)取引」で行われます。
売りたい人も買いたい人も「不動産仲介業者」と呼ばれる不動産会社を通じて売買を行なう流れが基本です。
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不動産の売主は1円でも高く売りたいし、買主は1円でも安く買いたいのが普通です。
そのため、不動産投資で不動産を購入するなら「理論的な意向が合致しない相手から直接買うということは避ける」のが基本と言えるかもしれません。
つまり、買主は売主から直接に交渉して買うのではなく、間に仲介業者(←善意の第三者)を絡ませたほうが無難・・・ということです。
仲介手数料を支払うのはもったいないようにも思えますが、仲介業者は手数料を取ってビジネスをしているので意向が対立することはなくややこしい交渉もすべてやってくれる・・・ハズです。
そういう意味で、買うなら「仲介業者を通して買う」ことを原則に考えると良いと思います。
売り手と買い手の間に入って調整をとりながら落ち着きどころを探ってくれ、ビジネスライクに商談をまとめてくれるのが不動産仲介業者です。
サイトで掲載されている物件情報の中には不動産仲介業者自身が売主となっていて、そのため「手数料無料」といったケースもあります。
でも、売主であるということはどこかでその物件を購入したわけで、その購入価格以下ではまずもって不動産業者が売却をするハズがありません。
なぜなら、不動産会社は法人として営利目的で営業活動を行なっているわけですし、一介のサラリーマンが会社の損になることを決められるハズもないからです。
また、「手数料無料」と謳っていても、結局はその手数料分以上の利益を購入価格に上乗せして売ろうとしているだけのことですから、思ったほど安く買えるわけではない・・・かもしれません。
「(手数料)無料」・・・という言葉には人を引き寄せる魔力がありますが、不動産投資をするときの購入金額は最低でも百万円単位~しますので、そんな「無料」という単純な言葉に惑わされないようにすることが大事だと思います。
不動産投資は「収益物件を買う」ことから始まるわけですが、「収益物件」というからにはやはり「収益」に集中して考えることが大切です。
収益に集中するコツの一つとして「売主からは滅多なことでは買わない」/売主から買うときにはよくよく自分の得になることを考えて買う」というマイルールを持っておくと良いと思います。