サラリーマンとなって働くなら、いずれ社長に直談判して自分の給料を増やしてもらおう・・・などとヘンなことを考えるよりは、「この会社で経験を積んで勉強をさせてもらいながら、自分の力を高めることで結果として給料をアップさせよう!」・・・と考えるほうがベターです。
まあ、そのためには「そういう会社であること」が大前提となりますが、もし、そうした「貢献度合いに応じて給料がアップする」という会社でないのなら、サッサと見切りをつけることも大事かもしれません。
やればやっただけの評価をしてくれる会社だ!としっかり理解できれば、優秀な社員ほど「会社内で実力を高める」ことを意識します。
そういう社員はよほどのことがない限り、決して転職に目を奪われることはありません。
それは、一つ会社でじっくりと成長し成功を掴んでいくことが自分自身や家族にとって良いことだと理解しているからです。
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社長は、人を採用した後で研修教育を行なうことが大事です。
その中には「自分の生涯賃金の設計をさせる」ということも含まれています。
これからの時代は定年年齢が65歳ではなく、少なくとも今の段階では70歳までは継続して働く必要性が高まっています。
それは70歳にならないと年金が出なくなる恐れが急激に高まりつつあるからです。
それも、いつしか75歳・・・と支給年齢が上がっていくことも予想されます。
大学を卒業したての若い社員には、まだまだ将来のこと、老後のことなんて見通せませんし、そもそも自分からは考える発想すらないのが普通です。
誰かが、そっと背中を押して考えるきっかけを与えてあげる必要があります。
それを、企業の社長自らがその役を買って社員研修で伝えることが大事だと思います。
日本社会では「毎年の賞与」が年収や生涯賃金に占める割合が大きくなっています。
場合によっては1割から2割が賞与である・・・ということもあると思います。
それがどんなことを意味するのか?というと、転職すると、自分の生涯賃金を減らしてしまう恐れがある・・・ということです。
社長は優秀な人材を社内につなぎとめておかなければいけませんから、「自社で働き続けること=転職しないこと」がいかに経済的に有利な話か!ということを説く必要があります。
仮に5回転職すれば原則的に5年分の賞与を棒に振ることになります。
また、会社によっては「定年がない/本人が希望すれば何歳になっても働ける」という会社もあると思います。
そうした会社の場合だと、生涯賃金はかなり多くなる可能性があります。
社長は、そうした「自社で働き続ける優位点」を社員に伝え、また、そのとおりに実行して
いく姿勢が大事だと思います。