公的年金の受給は65歳が起点になっており、65歳未満で受け取ることを「繰り上げ受給」と呼び、66歳以降で受け取ることを「繰り下げ受給」と呼ばれています。
年金改正法により、今年の4月から受給開始年齢の上限が75歳にまで引き上げられました。
政府としては受給開始年齢を少しでも遅らせてほしいようですが、そうするとその間は年金がないので自分で生活費を稼ぐ・まかなう必要があり、多くの人は繰り下げ受給に対して後ろ向きのようです。
つまり、わざわざ繰り上げ受給まではしないけど、65歳になって受給資格を得たならサッサと受給を開始して少しでも早くたくさん年金を受け取りたい・・・というのが一般的な人の心情のようです。
現在の日本人の平均寿命は男性が81歳、女性が88歳です。
自分が「損益分岐点よりも長生きできる」と思えば受給時期の繰り下げを選べば良いし、「損益分岐点より長生きできない」と思えば繰り上げ受給を選べば良いと思いますが、実際、自分が何歳まで生きられるかは永遠に謎のままで誰にもわかりませんから、やはり受給開始をいつにするかは悩ましい問題の一つです。
繰り上げ受給をした人は損益分岐点通過後は「損をした」と思いながら生きることになります。
また、繰り下げ受給した場合は長生きするほど「得をした」と感じることになります。
そう考えれば、精神衛生上では繰り下げ需給のほうがベターなのかもしれません。
いずれにしても、自身のライフプランとマネープランあっての老後の生き方になりますから、正解・不正解の是非は別として、両方のプランを自分なりに作成したうえで慎重かつ思い切りよく検討・決断することが大切だと思います。