物質的な満足感はいつしか飽きが来るものです。
一時的な所有欲求に任せて買い物をしても、満たされるのはそこから短期間だけだったりします。
所有したものを他人に見せびらかすつもりだったのにその機会になかなか恵まれないと、結局部屋のどこかに仕舞いこんで、ついには一度も陽の目を見ないまま処分することになることさえあります。
高級ブランドの商品でも、それを手に入れた後は意外と使い道がなく、単に「持っているだけ」の状態が続いて短期的には満足しても中長期にわたって心を満たすことは難しかったという経験を持つ人も多いかもしれません。
事業で成功して数年間は派手な生活を送っていても、多くのお金持ちは物質的な豊かさの限界を理解して浪費を止めてしまうとも言われます。
お金持ちになればなるほど、その志向は「物質的なもの」よりは「体験的なもの」に移っていくように思えます。
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投資の成果=元本×利回り×投資期間とはよく言われることですが、やはり「時間を味方につける」という発想は大切です。
倹約に努め、毎月・毎年お金が確実に貯まっていくように家計をやり繰りすることは、投資元本を継続的に増やせることを意味します。
そして、これを何十年間も続けていけば、年収差よりも遙かに大きな投資成果の差を生んでいけます。
世の中には、年収レベルでは必ずしも高いとは言えないような人でも、その実、保有している資産内容で見ればかなりの高資産という人がいます。
おそらくコツコツと時間をかけて(時間を味方にして)それなりの資産を自力で築いてきたのだと思います。
そうした人も物質的な欲求の次元を通り過ぎて体験や自分の感情を満足させてくれることにお金を費やす傾向があるような気がします。
若い時は物質的な欲求を持つことも大事ですが、歳を重ねていくほどにその欲求から一段上の次元に上げていくと人生に幅が広がると思います。
なぜなら、他者への自慢などではなく純粋に自分の人生を満足・充実したものへと導いていけるからであり、人生後半にはこの姿勢は大切だと思います。