自分にとっては当たり前のことが、他人にとっては当たり前ではない!・・・ということはたくさんあるものです。
たとえば「鼻濁音(びだくおん)」もその一つです。
ガギグゲゴには通常の濁音と、息を鼻に抜いてやわらかく発音する鼻濁音があります。
たとえば「学校」のガは通常の濁音で、「鏡」のガは鼻濁音で発音します。
(皆さんもちょっとやってみてください)
私にとって鼻濁音は普通のことなのですが、世間では必ずしもそうではないようで、最近は鼻濁音を発せれない人が増えているそうです。
演歌ではきれいな鼻濁音を使うことを重視されますが、ニューミュージックといわれ始めた頃から濁音化が歌の世界でも広がってきた・・・とも言われています。
たとえば『津軽海峡冬景色』は「ツガルカイキョウフユゲシキ」ですが、石川さゆりさんはキチンと「ガ、ゲ」を鼻濁音で発音されていますね。
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ガ行(ガ・ギ・グ・ゲ・ゴ)の「鼻濁音(びだくおん)」は優しく響く日本語の発音とされています。
ところが、日常生活でこれを使える人は5人に1人しかいなくて、全国的に著しく衰退しつつあるとのことです(国立国語研究所の調査)。
さらには、来世紀になると東北地方でわずかに残るだけとなり、それ以外の地域は消滅する可能性が高いとも・・・。
美しい日本語、受け継がれてきた言語は後世にもきちんとそのまま残していきたいものですね。