「幽霊の正体見たり枯れ尾花」という諺があります。
「尾花」とはススキの穂のことです。
幽霊だと思って恐れていたものが、よく見たら枯れたススキの穂だった・・・という意味から、疑心暗鬼で物事を見ると悪いほうに想像が膨らんで、ありもしないことに恐れるようになるという意味です。
また、恐ろしいと思っていたものも、正体を知ると何でもなくなるということのたとえでもあります。
実際、恐怖心や疑いの気持ちがあると何でもないものまで恐ろしいものに見えてしまうことはよくある話です。
そして、実体が判明すると何も怖いものではなかった・・・と安堵することもよくあり得ることです。
ここで大事なことは
1.「怖い/恐れているもの」があるなら、無理に近づかない
2.でも、それは単なる思い込みであって実はそれほど「怖い」モノではないかもしれない・・・という高次元の意識を持つ
3.自分が怖いものでも他人は「怖くない」と言うなら、勇気を出して近づいて確認してみると人生が広がる可能性あり
・・・ということです。
・・・・・・・・・・・・
「投資」とはリスクがある商品などに対して大切なお金を投じる行為ですから「よくわからない/怖い」と思うのは人として自然なことです。
だから、そうした「怖いもの」に無理に手を出す必要はないと思います。
でも、そうした「投資」を「怖くないよ~/そんなに難しくないよ~/やってみれば面白いよ~」と言っている人も多いのも事実です。
そして、実際、世間では多くの人が実際に「投資を行なっている」わけで、それを行なっている人は自分と同じ「人間」であり、しかも老若男女問わず・・・古今東西・・・です。
投資対象の商品がどのようにして「将来、お金を生み出してくれるのか」を理解することは大事ですし、もしそれがよくわからないとしたらどんなに魅力的に見えたとしても大きくは手を出さないほうが賢明だと言えます。
表面上は「投資」と言いながら、最近では流行りの用語でAIだとかWeb3.0とかChat GPTといった言葉を用いている商品であればよくわからないのはなおさらのことです。
もしかしたら大化けするかもしれませんが、よくわからないモノに手を出して大損したときほど後悔の念に囚われることはありません。
私だったら、お試し程度にちょっとだけ資金を投じることは良しとしても、大事な虎の子すべてを投じることは決してしません。
多くの人が関心の高い用語を絶妙に組み合わせて、いかにも早い者勝ちだとお金を募るような商品には詐欺的な要素が満載です。
金融リテラシーの高い人であれば決して引っ掛からないような詐欺話も、それが不足している人たちには魅力的に思え、ついつい乗せられてしまう人も後を絶ちません。
よくわからないものには手を出さない・・・という自分を抑制する意識は大切ですし、その一方で、自分の見解が常に適切であるとは自惚れず、その実態把握に乗り出す勇気を持つことも大事だと思います。