マンガやドラマでは、恰幅の良い大男がしょぼい老人を従者のように側に連れていて、商談相手は懸命にその恰幅の良い男に愁眉を送っていたところ、実はしょぼい老人がその企業のオーナーで権力者だった・・・ということがよくあります。
「実はこっちのほうが本体」・・・といったパターンです。
昔、ブラウン管モニターのパソコンが主流だったとき、家電売り場へ行ってパソコンを買おうと懸命にそのモニターテレビを比較して検討していたけど、実はパソコンの本体は横にある細長い機会のほうで、重要なのはその本体のほうだった・・・という苦い経験があります。
見栄え良く目に映るのモニターテレビはパソコンの本体ではなかったわけです。
こっちのほうが本体に見えるけど、実はその根幹部分は横の目立たないやつのほうだった・・・というケースはビジネスの現場でもある話です。
「こっちのほうが本体だ(ろう)」と勝手に思い込んでしまうのがいけないのですが、人はついそうした過ちを犯してしまいがちです。
芸能界でも、華やかなデビューを飾ったりCMにたくさん出演しているアイドルや女優・歌手を見るとついその人ばかりに注目してしまいがちですが、素人視聴者が知らないだけで注目されるように仕掛けたブレーンがいるものです。
それは、マネージャーの尽力だったり、事務所の剛腕だったり、プロデューサーの戦略だったりします。
同じことをしても売れる人と売れない人がいるのは、実は本体(実力者/キーパーソン)はあっち・・・ということが背景にあるからだったりします。
おまけつきお菓子でも、お菓子の美味しさでバカ売れしているのではなくて実はおまけ目当てでそのお菓子を買っている(目当てがおまけのほうだからお菓子は食べずに捨ててしまったりする)・・・ということもよくある話です。
物事には「虚実」があります。
「虚」のほうに意識を取られて「実」を見失わないように心掛けることはてとも大切だと思います。