仕事選びで極端なことを言うと、自分の希望する基準を下げれば世の中にそこそこの職(求人)はあります。
残業がイヤだ・・・家から遠いところはイヤだ・・・単純作業はイヤだ・・・朝早いのはイヤだ・・・夜遅いのはイヤだ・・・時給が低いのはイヤだ・・・休みが少ないのはイヤだ・・・といったことをあまり言わなければ、何らかの職を見つけることは今の日本なら可能・・・ということです。
実際、物価変動の影響を除いた実質賃金は昨年10月は前年同月比で横ばいでしたが昨年9月までは8カ月連続でプラスで推移しています。
厚生労働省によると昨年11月の有効求人倍率は1.41倍となっていて、実に25年4カ月ぶりの高い水準となっています。
簡単に言うと、「人手不足が世間のどこかで起きている」・・・ということです。
ただ、それでも消費者の財布の紐は固く、家計調査(総務省)によれば昨年11月の1世帯当たりの消費支出は実質1.5%減で9カ月連続でマイナスになっています。
まあ、あくまでもこれらは統計上の数字なので、対象が必ずしも一致・同一ではありません。
見えてくるのは「労働力不足のところはあるけど、みんなそれなりに何とか生活していて、キツイ仕事はしたくないし、かと言って過度な贅沢をするよりは堅実に暮らそうとしてる傾向がありそう・・・」ということです。
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ネット通販大手のAmazonは、昨年6月にキバ・システムズを買収しました。
この会社は倉庫内を自動で動くロボットを開発している企業で、アマゾンはこれによって(=ロボット導入によって)人件費削減を果たそうと目論み、実際そのように動いています。
当初、そこで働く従業員たちの気持ちとしては「人手が足りない・・・忙しすぎる・・・オレたちは何てキツイ仕事をさせられているんだ!賃金上げろ!」・・・という思いだったと思います。
ところが、結果的にはロボットの導入によって自分たちの賃金が上がるどころか、逆に自分の職すら失った(失いかけている)わけです。
この出来事には重要な意味があると思います。
キーワードは「技術革新(革命)」です。
最近は人工知能(AI)も何かとニュースになっていますが、今や世界では急激に技術革新が進んでいて、革新というよりも革命といったほうが良いくらいかもしれません。
「人間の労働⇒機械で代替」という動きが加速しつつあります。
つまり、技術革命についていけない企業は今後淘汰されていくだろうし、技術革命に呑み込まれてしまう職業に就いている人は職そのものがなくなってしまう・・・ということです。
有効求人倍率が1倍以上であっても(←求職者数を上回る求人数があるということ)、まだデフレ脱却が見えてこないということは、企業側はますます技術革新に頼ることが予想できます。
すなわち、人手に変わる新たな仕組み作りです。
ブラジルから「出稼ぎさん」が増えているというニュースもありますから、一時的には「キツイ仕事を外国人労働者が担う」という構図がありそうですが、中長期で見ると、やはり技術革新のパワーは強力だと思います。
そうした世の中の動きに良い・悪いで評価するのではなく、自分の身は自分で守る・・・という原則を大切に、自分自身が変化して成長することを追求することが大事だと思います。