「カラオケが得意です」というのと「カラオケが好きです」というのは似たようなニュアンスですが、実は大きく異なる点があります。
それは他者からの反論を呼び込むか呼び込まないかの違いです。
まあ、カラオケに限らず何でも良いのですが、「〇〇が得意」というとそれは相対評価につながるので他人から見れば「えっ!?その程度で得意なんてよく言えるな」と思われたり、バカにされることもあり得ます。
ところが、「〇〇が好きです」というのであれば、それはその人自身のことに依拠することなので他人が反論する余地はなくなります。
その人がそれを好きなのはその人の勝手であり、他人がとやかく言える次元ではありません。
・・・・・・・・・・・
人は「評価タイプ」と「成長タイプ」の間で揺れ動くと言われます。
評価タイプとは、「自分を良く見せたい」とか「できる人だと他人に思われたい」とか「周りからの良い評価を気にする」といったタイプです。
→上記の例で言えば、「あの人は〇〇が得意だ!」と他者から認められたい/思われたいといったタイプです。
評価タイプは、他人から良い評価が欲しいだけではなく、自分が自分に対しても良い評価をしたがります。
うまくいかなくて「ダメだ」と周りや自分が思ってしまうことを避けたいので、難しい挑戦や課題には取り組もうとしないようになり、結局「無難/現状維持」に収斂していきます。
そのくせ、他者からの良い評価が欲しいので自分を実物以上に見せようとします。
一方で、成長タイプの人は「どの課題を選択すれば自分がより成長できるだろう?」とか「この失敗から何を学べるだろう」とか「この難題に取り組んで力をつけよう」などと
取り組むことから成長していこうとするタイプです。
→ 上記の例で言えば、「私は〇〇が好きだ」といったタイプです。
成長タイプの人は簡単な問題ばかり解いていても成長しないとわかっているので、困難な課題に取り組もうとします。
また、そもそも失敗や間違うことを悪いことだとは思っていないし、逆にそこから学べることの多さを知っているので、壁にぶつかってもへこたれないしちょっとのことではめげません。
成長タイプはよりレベルの高い課題に向き合います。
成長は「困難な問題に取り組むときに起こり得る」ものなので、長い目で見れば「成長タイプ」のほうが圧倒的に将来の成功をつかみやすくなります。
誰でもどちらのタイプにもなれますが、重要なのは、自ら気づいて「成長タイプに自分をもっていくこと」だと思います。
成功も失敗も一夜にしては起こりません。
長い時間をかけて「小さな違い」が積もり積もって「大きな違い」になります。
「評価タイプ」と「成長タイプ」の間で揺れ動くとしたら、後者のほうに長くいるように心がけ、そのためにも自分が接すること(仕事でも趣味でも)を「好きになる」ように意識すると良いと思います。