かつて、「労働賃金が安い」という理由で工場を中国に作ってビジネスを展開してきた企業も、今では「中国の賃金が高騰して採算が合わない・・・」となっているところも多くあると言われています。
中国人の「爆買い」が象徴するように・・・、また上海・北京・深圳・厦門等のマンションが「億ション」で取引されることに象徴されるように・・・いまや中国人は日本人よりもかなりお金持ち/裕福となっています(もちろん、全員ではありませんが)。
俳優(女優)や歌手などの推定年俸や資産を聞いてもビックリ!します。
なぜ、こうも中国人は裕福になったのか?
その答えの一つは「一人子政策と贈与・相続の免税(無税)効果」にあると思います。
中国では、長らく「一人っ子政策」がとられ、両親の財産はたった一人の子どもに集中して相続されてきました。
ここで肝となるのは、中国には相続税がない・・・ということです(無税)。
すなわち、親の遺産は100%子ども(しかもたった一人)に受け継がれるわけです。
相続まで待たなくても、生前に親が子に財産を移転しても贈与税はほとんどの場合においてかからないそうです(免税)。
そして、その「両親」には「それぞれの両親」がいるわけで、「子ども一人」に対して、両親+両方の祖父母で6人からの財産が転がり込んできます。
さらに、その先祖を遡れば「さらにプラスして8人」です。
子どもから見て3世代遡るだけで、何と!「14人分の財産を引き継いできている」ということになります。
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日本の相続税は1950年(昭和25年)に制定された相続税法をもとに課税されていますが、古くは1905年(=69年前)に初めて導入された・・・そうです。
当時は家督相続されたいた私有財産をそこから国が租税して徴収し始め、やがて「遺産も三代続けばなくなる・・・」と揶揄されるほど、重い税金になっていったようです。
世界を見渡すと、「相続税がない、もしくは廃止した国」もあります。
たとえば、スイス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、スウェーデン、シンガポールなどです。
相続税を廃止した理由としては、
1.事業承継の妨げをなくすため
2.歴史的建造物・町並みを残すため
3.家族の絆を深めるため
・・・などが挙げられるそうです。
相続税は、国の財源としては保全したい、もっと増税したい・・・といったところかもしれませんが、国民の経済力アップのためには減らす・無くすほうがベターなのかもしれません。
中国の「国民の経済力アップが国力をもアップさせた」事例をみていると、相続税や贈与税をなくして代々にそのまま引き継がれるような施策は案外と国力アップに有効のなような気がします。