
ある人(Aさん)から教えてもらった話ですが、昔、あるところに車の販売で非常に優秀な成績を収めている営業マンがいたそうです。
毎月群を抜いてトップの成績だったそうで、ある時Aさんは直接その秘訣を聞くことができたそうです。
その営業マンは次のように営業手法を明かしてくれた・・・と。
Aさん: どうやったらそんなに車を毎月たくさん売れるのですか?
営業マン: 私が毎朝するのは、青空駐車場に行って、そこに止めてある車すべての査定をすることからです。
そしてこうします。
『貴殿の車を売却されるのなら、当社では100万円で購入します。今、新型モデルで200万円の車がありますから、差額の100万円で新車を手に入れることができます。ローンを利用すれば毎月のお支払いは〇〇円になります。ご興味があれば、こちらまでご連絡ください』
・・・という紙をワイパーのところに挟んでおくんです。
すると、すぐには連絡がなくても後日連絡がかかってきたリします。
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一般的に車を購入する見込み客は、「今現在まだ車を所有していない人」・・・と思いがちです。
ところが、その営業マンの見込み客は、『車を今現在保有していない人』ではなく、『車を今現在保有している人』だというわけです。
人は、何か商品を売ろうとしたら、まだそれを持っていない人に売ろうと考えます。
まして、車のように高額な耐久財であれば尚更で、既に持っている人に2台目を勧めても撃沈するのが関の山です。
でもその営業マンは逆転の発想で、今現在持っている人に「買い換え」という需要を喚起して、新たに売ろうとしていたわけです。
ここがその営業マンのスゴイところ・・・優秀な着眼点だったと言えます。
また、その営業マンはこうも言っていたそうです。
「私は、当社で一番車を売っている社員かもしれませんが、当社で一番断られている社員でもあります」
・・・・・・と。
営業は断られてナンボ・・・とも言いますが、成功の裏に数々の失敗もあることは一つの真理を突いている話だと思います。