何かを販売するとき、無制限に販売するのも手ですが、何らかの制限を設けて販売するほうが、人の購買心理を煽りたてる効果があります。
品数を制限したり、販売時間を制限したり、購入者の人数を制限したり、いろいろな制限手法があります。
「消費税が上がるからその前だと税金分が抑えられますよ・・・」というのも一つの制限手法です。
昨年の4月に消費税は5%から8%に上がりましたが、1年半経つともうほとんどの人は「今が当たり前」になっていて、消費税が5%だったことは忘れているような感じさえありますね。
あの頃には多くの分野で駆け込み需要と呼ばれる購入騒ぎがありました。
販売する側から見れば、絶好の駆け込み供給の機会(チャンス)でした。
そして、本来なら今日(10月1日)に8%から10%に上がる予定でした。
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「消費税が3%上がると購入価格が高くなるから、今のうちに買っておかないとソンだ」・・・と短絡的に考えたり、煽ったりしますが、必ずしもそうではないモノもあります。
たとえば、建売住宅・マンションなどです。
家電やトイレットペーパーや食用油などとは違って不動産は一点ものですから、うがった見方をすれば良い物件はとっくに売れています。
売れずにある時期まで残っているとしたら、それは消費税増税後も恐らく売れ残ったまま・・・かもしれません。
増税前には「高くなる!」と、たくさんの人が家を買います。
それを見越して業者側もたくさん家を建てます。
人件費や材料費が高騰して家の価格が上がります。
・・・なのに増税後は家を買う人が急に減って増税前に建てた家・マンションの売れ残りが出て・・・場合によっては値段を下げないと売れなくなります。
消費税増税の3%分の金額どころではない!ですね。
次の消費税増税は2017(平成29)年4月1日で、そのときは2%アップです。
増税前の駆け込み供給と需要がどれくらいなのかわかりませんが、あまり煽り過ぎるのも煽られ過ぎるのも良くないと思います。
販売する側としては「制限」を設けることでより購入者の購入心理をくすぐりますが、購入する側としては「その手」に引っ掛からないで冷静に必要かどうかを見極めて買うことが大切だと思います。