学校では、先生が生徒に質問をして答えを引き出そうとしたりします。そのとき、先生はすでに答えを知っています。
それなのに、生徒に答えを直接教えるのではなくてあえて「質問」を投げかけるのは、生徒自身に答えを導いてもらいたいから・・・です。
なぜなら、そうすることで生徒に思考力・推察力・想像力・・・などが身に付き、成長につながるからです。
優秀な先生ほど、生徒に合わせて「適切な質問」をします。不適切な質問では、かえって生徒の成長を阻害してしまいます。
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会社でも、上司が部下に質問を投げかけるときがあります。
部下の成長を願って、自分がバカなフリをあえてする(できる)上司は立派だと思います。
また、仕事上で何か問題(トラブル)が発生したとき、誰もがその解決策を探る質問を自分もしくは他人にします。
そのトラブルの解決策を手に入れるためですが、ここでその質問自体が間違っているとナンセンスになってしまいます。
もしも、抱えている諸問題がなかなか解決しないとか、同じトラブルが何回も起きてしまうとしたら、「本当の意味での問題」は「誤った質問をしていること」にあるかもしれません。
質問が間違っていれば正しい答えを導き出せるハズがありません。人は誰も「自分が間違っている」とは思っていませんから、本来不適切な質問であってもそれに気づくことは稀です。
誤った質問・・・不適切な質問の呪縛から逃れるには、正しい質問・・・適切な質問をしてくれる人から指摘してもらうことです。
それが良い刺激となり、きっかけとなります。
それは往々にして、身内ではなく外部の第三者であることが多いものです。岡目八目で、第三者から見ると全く違う角度で俯瞰的に見ることができるからです。
そのため、大企業では「顧問」や「コンサルタント」を置いて、しかも普段は社内にいないように意図的に取り計らっています。
大切なのは「正しい質問を投げかける」ことであり、また「それができる人にいつでも相談できる仕組みを持っておく」こと……ですね。