お店によっては「○日は5%OFFデー」・・・というのをやっていたりします。
単純に考えると、通常の正規価格よりも5%安くなるのですから消費者(購買者)としては嬉しいことです。
ところが、よくよくお店で見ていると「おやっ? ・・・」ということがあります。
たとえば、5%安くする代わりにそもそももとの値段を普段より5%以上高く設定している・・・などです。
たとえば、普段は100円で売っているのにその日だけは110円で売って5%OFFをうたう・・・といった感じです。
普段 → 100円
5%OFFデー → 110円×0.95=104.5円
これだと結局普段よりも高くなってしまい、ちょっと騙されたような気になります。
お店(経営者)側としては、数字のトリックで何とか損をしないようにとか、少しでも利益を確保したいということなのでしょうが、消費者は案外と見ているものです。
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感覚的に言うと「5%OFFデー」という日はありますが、それ以外の数字をOFFにする(10%OFFとか)定例デーはないように思えます。
20年ほど前は「3%OFFデー」というのがありました。
ある時から「5%OFFデー」に変わりました。
なぜか?
当時は「3%の消費税分を安くしますよ」で始まり、それが「消費税が5%になったので5%OFFにしますよ」という背景がありました。
ところが、時代が流れ消費税が8%になったにもかかわらず、8%OFFデーに変更するところは残念ながら出てこないようです・・・(あくまでも私の知っている範囲です)。
ちなみに、消費税3%が導入されたのが1989年4月ですからもう27年前です。
そして、3%が5%になったのが1997年4月ですから今から19年前です。
当時、こうした消費税分をOFFにして顧客獲得戦略にしよう・・・と発案したような人たちも20年も経てばとっくに定年退職して現場を離れていると思います。
現在上級管理職として会社経営に携わっている人たちは、当時まだ入社していなかったような人たち・・・かもしれませんし、この制度の導入プロセスを知らない人たちなのかもしれません。
したがって制度は残っているけど、そもそも制度の目的を知らないから単純に「以前からやっているので引き続きやっている」ということなのかもしれません。
いわゆる「形骸化」です。
「人は去ってもその人が作った制度や仕組みは残る」「制度や仕組みは作った人よりも長生きする」・・・ということです。
まあ、実際のところはもっと複雑な事情があるのでしょうが、いずれにしても5%OFFにする代わりに元の販売価格を5%以上高く設定し直すことはやめてもらいたいですね。