私が現役時代に上位職者から教わった言葉の一つに「『できません』厳禁主義」というのがあります。
「できません」と言ってはいけない!という大変厳しい言葉です。
もちろん、何でもすべて上司の命令に従え!という乱暴なことではありません。
法令違反や公序良俗に反していることまで従う必要はないですし、倫理上の観点で「できません」とはっきり言うことも大切です。
言わんとすることは、何も考えず、工夫せず、知恵を絞ろうともせず、調べもせず、まったく努力をすることなく、自分だけの主観で勝手に出された命題を「できない」と決めつけてはいけない・・・ということです。
できない・・・というのは、たいてい
・今すぐはできない
・今の経営資源ではできない
ということです。
時間をかければできるかもしれないし、自分一人ではなく複数の人数でやればできるかもしれないし、予算を増やせばできるかもしれないし、その分野のエキスパートを連れてこればできるかもしれないし・・・・・・と可能性はゼロではないので、その「できる可能性」を探り、「できるためにはどうしたらいいか?」と考えることが仕事やビジネスでは大切です(もちろんプライベートでも)。
ビジネスでは、特にこの「できるためにはどうすればいいか?」と発想することは重要です。
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会社内で社員が安易に発する言葉=できない・・・というのは「事実」ではなくてその社員の「意見」であることが多いものです。
Aさんができないと言っても、Bさんであればできる・・・ということはよくあることです。
Aさんの狭い考え、少ない知識、足りない経験の範囲内ではできないかもしれないけど、違う視点で発想すればできるようになるかもしれないわけです。
リーダーは「できない」とすぐにあきらめてしまうのではなくて、じゃあ、もしできたらどうなるんだろう?
→マーケットで一人勝ちだな!
もしやってみたらどうなるんだろう?
→別に命を取られるわけじゃない/誰もやっていないからこそ俺がやってみよう/初めての人になろう!
と発想することが大事です。
仮にリーダーが現状を鑑みてすぎさま「できない」と言ったときは、それは事実のようで事実ではなく、そのリーダーがそういう意見をその時に持っただけのことです。
また、誰かが別の人に「君にはできない」と言ったとしても、同じようにそれは事実のようで事実ではなく、単にその人がそのような意見を持っているだけ・・・です。
だから、気にしてはいけないですね。
むしろ「じゃあ、やってやろうじゃないか!」と発奮するくらいで良いと思います。
仕事では安易に「できません」と言わずに、いったんは保留にしてよくよく考察、熟慮して何とかできる方策・道筋を探ってみる姿勢も大切だと思います。