ハートの形をしたクッキーを作るにはハートの型を用意すれば簡単にできるし、菱形なら菱形の、四角なら四角の型を用意するだけで簡単にできます。
それらを用意して作るのは時間の節約にもなります。
そうした型がないと「型なし/形なし」となり、無用な時間を要しますし、場合によっては本来の面目を失って困ったことになるかもしれません。
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昔、着物に家紋を染め抜くために染物屋は「家紋の型」をたくさん用意し、そこから「紋切り型」という言葉が生まれたそうです。
ビジネスでも紋切り型を採用しているところはたくさんあります。
使う側としては「紋切り型」は考える必要を省いてくれるのでラクです。
でも、みんなが同じことをし始めると「違い/差」がなくなり、どこも誰しも金太郎あめのようになってつまらない印象を与えるようになります。
だから昨今では「紋切り型」は型どおりで面白くないとか、融通がきかないといった、好ましくない意味で使われることが多くなったような気がします。
一方で紋切り型の商品・サービスは全国どこへ行っても同じような商品・サービスの提供を受けられるので安心だ/迷う必要がない・・・というメリットもあります。
名前・看板が実態を保証してくれる・・・消費者に価値を与えてくれる・・・という意味では、「紋切り型」は一種のブランド価値を保証している側面もあると言えます。
紋切り型のビジネスのすべてが悪いわけでもなく、同様にすべてが良いわけでもありません。
紋切り型は「仕組みの枠組み」でもありますから、ビジネスを再現するのに適した面もあります。
再現性の高いビジネスや営業手法を用いるのは重要なことですから、時と場合によって紋切り型をうまく活用していくと良いと思います。