利益より売上に重きを置いてきたかつての日本企業

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会社の目的の一つは「利潤の追求」にありますが、上場企業といえどもその多くの会社は「売上重視」の傾向が強く、あまり「利益」のほうには目を向けなかった歴代経営者が多かったように思います。

大きな原因は、日本特有の企業システムにあったのかもしれません。

それは、企業を取り巻く株主、取引先・・・等の本来ならどちらかと言えば利害相反関係にある人たちが売上至上主義にすることで「良い思い」をすることができたからです。

かつて上場企業の7割以上は「株式持ち合い構造」によって安定株主と呼ばれる法人株主で成り立っていました。

取引銀行、保険会社、グループ企業、取引団体・・・などです。

そうした株主が株を持つ目的は、配当金や株の売買差益ではなく、赤字でもいいから売上をどんどん伸ばして原材料をたくさん仕入れてお互いのビジネスを大きくすることでした。

赤字であれば銀行がお金を貸し出します。

売上が増えて社員が増えれば、銀行は預金獲得、給与口座獲得、住宅ローン獲得などの機会が増えます。

保険会社は団体保険などで加入者を増やせます。

取引が大きくなれば損害保険も伸びます。

戦後の日本復興の経済成長の中では、そうした思惑が絡み合って、利害を一致させることができて、利益より売上に重きを置いた経営が「常識」とされてきたのかもしれません。

しかし、その流れも徐々に変わりました。

なぜなら経済成長がピークを越え、日本の位置するポジションが世界でも上位となり、グローバルな中での経営の在り方が求められるようになってきたからです。

昨今では、本来のセオリー通りに 「利益重視」が尊重されるようになってきたと思います。

かつての日本企業の常識が、今の日本企業の中では「非常識」となったわけです。

少し視点をズラしてみれば、東南アジアやアフリカなど、これからの未来において開発・発展していく地域では、かつての日本が歩んだ道を同じように歩む可能性は高いと思います。

そこにまたビジネスチャンスを見出せる人が、事業を発展させていくのだと思います。

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