先週のニュースで、「日本電産は永守重信会長兼社長(73)が社長職を退き、後任に吉本浩之副社長(50)が就く人事」が発表されていました。
1973年に永守氏が会社を設立して以来、初めての社長交代になるようです。随分長くトップに君臨されていたと思います。
日本電産はもともと4人で創業した町工場でしたが、永守氏の経営手腕によってそれがあれよあれよという間に1兆円企業にまで成長発展し、世界一のモーターメーカーになりました。
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そんな経営手腕を持つ永守氏の言葉に、こんな名言があります。
「業績は良くなったときが一番危ない。企業業績を悪くする元凶には、『マンネリ』、『おごり』、『怠慢』、『妥協』、『諦め』、『油断』がある」
そのとおりだと思います。
リーダーは職制上そうした元凶に陥りやすい位置(ポジション)にいます。特に、トップリーダーほどそうです。
一つ間違えれば、普段の恵まれたポジションにいることがかえって災いして、企業の業績悪化の元凶になってしまいます。
たとえば、多くの会社では「本業を大切」にしていますが、それでも「財テクへの誘惑」はけっこうあるものです。
それは銀行・証券会社といった金融機関からの誘い込みもありますし、同業他社や知人・友人等からのお誘い話もあります。
でも、その誘惑を断ち切って本業に徹することがその後の発展につながりますので、「財テク/投機」に手を出しのめり込むことはご法度です。
「投機の失敗」は会社にとって、本当に命とりになります。また、仮に経営リーダーがうまく投機話で儲けたとしても、それを喜ぶ従業員はいません。それどころか、不安になるかもしれません。
投機で失敗すれば、それまで社員たちが汗水垂らして一生懸命に働いて稼いできた利益がすべて吹っ飛ぶことになります。
これが、仮に「不況や本業の失敗」であれば、社員たちはそのピンチをチャンスにもとらえて奮起して会社の再建に立とうともしますが、投機で失敗した損失をカバーしようと思う社員はまずいません。
そんなの経営リーダーの自己責任だから自分で個人的になんとかしろよ・・・と思われてしまうだけです。
会社は財テクに走ってはいけない・・・ですね。