「独身一人暮らしの人が『家』を欲しがる」よりも、「家族持ちの人が家を欲しがる」ほうが割合いとしては多いと思います。
人がマイホームを欲しがるのは、家そのモノを欲しいのではなく、「家という場の居住空間」が欲しいわけであり、「それを喜ぶ家族が見たい」わけであり、そうした高額な商品を購入できる「自分を誇らしげに思いたい」と気持ちがあるからだと思います。
特に「家族を喜ばせたい」という思いが一番強いような気がします。
「家が欲しい」と言いながらも、実際には「欲しいのは家そのものではない」・・・わけです。
家族に気を遣う必要のない独身者だと、自分の中の優先順位を「家を持つこと」より、もっと別の事柄に置いて、お金の使い道をそっちへ向けるのだと思います。
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多くの人は、自分がお金を使うことに対してほぼ無意識に使っていることが多いです。
そして、お金を使った後に「なんで、こんなものにお金を使っちゃったんだろう・・・」と後悔をしたり、「あ~あ、またやっちゃった!」と何度も同じ思いをしたりします。
これは、自分にとっての「価値の順位」が何なのかを理解していなかったから起きる悲劇だと言えます。
逆に言うと、自分にとっての「価値の順位」を自分なりにしっかり認識している人は、お金を適切に使って満足度を高めるのが上手です。
自分の本当に得たい結果が何なのかを知り、そのためにお金を使うことが容易にできる人だからです。そして、自分にとっての価値がわかるからこそ、他の人にとっての価値を見出すこともできます。
たとえば、マイホームの例で言えば「どんな家が欲しいのですか?」とは聞かずに「どうして家を欲しいのですか?」と本質にズバリ差し込んで聞きます。場合によっては、そんなに高額な出費をしなくても済んだりします。
大事なのは「本当に欲しい結果に到達すること」であって、マイホームなら何でも良い・・・というわけではないからです。すると、お金を使ったときの満足度も非常に高くなります。
使うお金の多寡ではなく、商品・サービスの内容でもなく、「自分が本当に得たいものは何なのか?」から逆算した発想で、その商品の購入の是非を問うことは大切だと思います。